『ちがうよ、硬い方のシリコンとって。』
土曜出勤の友《由美ぶ》が言う。『アンタね、男は何でも硬いほういい
のよ。わかる?硬いのよ。わかる?そうでしょ?そう、熱くて硬いのよ。』
………うるせぇ。俺はそのケツを思いっきり蹴飛ばす。
「なあ、《チャコ》さぁ、辞めるとき、俺になんか言付け残してかなか
った?何か言ったろ?イロっちにいっといてって」
しつこいなぁ。と《小嶋》がうざがる。何も言ってませんよ。何も。一
言も。あなたのことは何にも。イロさん、みじめったらしいですよ。で、
凹んだ俺は、誰にも会いたくなくなったので、一人になれる4号棟の休
憩室に一人たたずむ。4号棟は《チャコ》がいた場所だ。

フツーね。タイプの人に会うと、この人に
好かれたいとか、一緒にいたいとか、もっ
と知りたいとか思うじゃん?だけど《イロ
っち》に会った時は、変で(笑)。いきな
りはじめに“この人の子どもが欲しい"って
思った――。
「お前、変なこと言うなよ。大丈夫か?アタマ。電池逆に入ってないか?」
『だってホントだもん。ホントのことだもん。あ、ポテロングちょーだい。」
思い出して、泣きそうになってると、いつのまにか《小嶋》が隣りにいて言う。
もう一度だけ会いたいとか、どう思われてもいいから会いたいとか、
僕らそうゆうのって、失ってから思うんですよね。もう遅いのに。
■もう一度だけあのコに会いたい
−IRO& CHEMICAL CORPORASHIONS


