2005年10月31日

《更衣室》きっと正吉と蛍は幸せに暮してますよと小嶋が言う

  
『ちがうよ、硬い方のシリコンとって。』

土曜出勤の友《由美ぶ》が言う。『アンタね、男は何でも硬いほういい
のよ。わかる?硬いのよ。わかる?そうでしょ?そう、熱くて硬いのよ。

………うるせぇ。俺はそのケツを思いっきり蹴飛ばす。

「なあ、《チャコ》さぁ、辞めるとき、俺になんか言付け残してかなか
 った?何か言ったろ?イロっちにいっといてって」

しつこいなぁ。と《小嶋》がうざがる。何も言ってませんよ。何も。一
言も。あなたのことは何にも。イロさん、みじめったらしいですよ。で、
凹んだ俺は、誰にも会いたくなくなったので、一人になれる4号棟の休
憩室に一人たたずむ。4号棟は《チャコ》がいた場所だ。

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フツーね。タイプの人に会うと、この人に
好かれたいとか、一緒にいたいとか、もっ
と知りたいとか思うじゃん?だけど《イロ
っち》に会った時は、変で(笑)。いきな
りはじめに“この人の子どもが欲しい"って
思った――。


「お前、変なこと言うなよ。大丈夫か?アタマ。電池逆に入ってないか?」
『だってホントだもん。ホントのことだもん。あ、ポテロングちょーだい。」

思い出して、泣きそうになってると、いつのまにか《小嶋》が隣りにいて言う。

  もう一度だけ会いたいとか、どう思われてもいいから会いたいとか、
  僕らそうゆうのって、失ってから思うんですよね。もう遅いのに。
  

                           ■もう一度だけあのコに会いたい
posted by イロ室長 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

平日のデパートはクリスマスで、本を破いては捨てた昼間の月


どこにもゆくところなどないのだ。

どこにも自分の居場所がなくて、座ることすら、だた一寸のスペースで
すら許されない。どこにいても何をしても相応の見返りを求められる。
東京とは――そういう――ところだ。

秋の暮れゆく淡い日差しが、平日のデパートにさしこむ午後。親子連れ
や老人にまじって、クリスマスのディスプレイを眺めていれば、一人の
子どもが、おもちゃをせがんでいる。結局、僕にはどこにも居場所なん
かなくて。

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金儲けしたい人がいて、踊らされる人がいる
だけだ。夢がね。色とりどりの憧れがきれい
にラッピングされて「夢を叶えなさい」と口
をそろえて。一体、好きなことだけやって生
きてる人がどれだけいるというのだろう?そ
んな歌が街角に溢れて、そんな物語を聞かさ
れてそんなものに囲まれ誰もが口をそろえて。

夢の素晴らしさを教えても、夢の諦め方は教えてくれない。

『夢をかなえながら生きる』という本を買って。屋上の立体駐車場から
は昼間の月が白く、とても白く、見えました。それから、破いては、捨
て、破いては捨て、また、破いて。好きなだけ《愛》や《夢》で世の中
を満たしちまえばいいさ。と呟き、昼間の月がとても白く見えました。


たぶんぼくはとてもまちがっているのだとおもいました。

                  
                  ■イトーヨーカドーから昼間の月が

posted by イロ室長 at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月30日

《いざゆけ!》我ら11人の甲子園 〜ワイド版


試合当日、球場に向う我ら純愛高校エース竹内は、土手の草むらに捨て
てあるHな本を見つけてしまう。しかし雨で程よく濡れていたため、な
かなかページがめくれず、そうこうしているうちに試合開始の時間にな
ってしまった――。そしてキャプテン二上は………。



 ■■■ VSワールドワイドなコミュニケーション学院 ■■■


審判:「ストライク!バッターアウト!」
二上:「どうしたんだ?1回ぐらいバット振ってこいよ」

豊田:「キャプテン。僕、部活やめます。やっぱり、英語はブラッシュア
    ップが大切だって………。今からオーストラリアにワーホリに行
    ってきます。(退場)」
二上:「おい!試合はどうすんだよ――――っ!豊田ーっ!

日野:「キャプテン。I am a boy.私は一人の少年です。って私は一人に
    きまってるじゃないすか。我が二人も三人もいたらイタイっすよ。
    どうなってんですか?」
二上:「日野………お前まで………。」

立川:「キャプテン、今時英語が出来なきゃ、就職もできないそうです…」
二上:「立川………何言ってるんだ?」
立川:「こんな、野球なんてできたって………ダメなんすよ!こんなもの!」

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二上:「………折ってみろ……そのバッドを、お
   前のバッドを!」
立川:「…………………くそっ!できません!」
二上:「そうだろう立川………」


    人は夢を捨てて、生きてはゆけないんだ。

二上:「甲子園に行こう立川。甲子園にいって今まで俺たちをバカにしたや
     つらを見返してやろう。聞くところによると、甲子園には夢のよう
     な御殿があって、酒はうまいし、ねーちゃんはきれいだそうだ。
     そう。そこにゆけばどんな夢も叶う、はるかな浄土なんだ。」

応援:「かっせ、かっせ、じゅ、ん、あ、い」


                        ■我ら11人の甲子園
posted by イロ室長 at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメF11人の甲子園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月29日

人は強いものよ そして儚いものよ


――ねーんねーんころーりよー。

枕を赤ちゃんがわりにして、だっこの練習をして歩いていた。部屋を、
いったりきたりしながら、枕に話しかけていた。それから、あまりにも
夜鳴きがひどいので、外に連れていこうとしたら、《しぃ》が風呂場、
から、ダダダと裸でとびだしてきて『何、ノイローゼなことやってんの
よ!!
』 と、俺から枕を引き剥がしてしまった。嗚呼――。

――あなたに、愛される女の子は幸せだわ

と君が言って、そして君はいなくなった。もういない。どこにもいない。
僕と君をつなぐものはもうない。もし、どこかの街角で出会っても、黙
ってすれちがうのだろう。そうして僕らはまたいつもの日常に、ゆるや
かに帰っていく。そんな風に限りなく他人になってゆく。

そして今日も世界は新しい一日をはじめてしまって

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今が過去になってしまって。僕と君を、そ
れぞれの場所で、おだやかに変えつづけて
いる。おだやかに。僕らを。変えつづけて
ゆく。

下駄箱のネームプレートはまだ剥がされて
いない。

 《出会い》が《別れ》を含むものなら、
 《別れ》は《もう一つの出会い》を含んでいるはずよ


君が言った。そんなふうに。2005年の7月1日(金)を過ごしてい
る。今日は、あと、11時間35分ある。さて。

                  ■出会いが別れを含むものならば
posted by イロ室長 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月28日

《再び!》我ら11人の甲子園 〜愛蔵版


純愛高校野球部エース竹内は、突然、八王子二中時代のクラスメイト、
洋子に呼びだされ、今、竹内のことを気になっている女の子が3組にい
るんだけど……と聞かされる。戸惑う竹内は、とりあえず3組に様子を
見にいって、その子を確認し、それから態度を決めようとした……。

 ■■■ ついに魔球誕生!?の巻 ■■■

(練習にて)

矢来:「だけど………うーん」
二上:「どうした?ふたりして?」
立川:「あ、キャプテン」

矢来:「決め球の名前が決らないんですよ」
二上:「決め球か………」
矢来:「揺れて変化するボールなんですけど………」
立川:「フラフラボール、純愛エクスプレス、白い幻想……」

(隅のほうで寝ていたウルフが起きる)

ウルフ:「ふん。草野球レベルの野球ゴッコか……(笑)。」
矢来:「野郎!」
立川:「お前、狼に育てられたからっていい気なるなよ!」
矢来:「お前なんて、インドの山奥に帰っちまえぃ!」

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ウルフ:「何も揺れ動くのは、球だけとは限るまい。」
二上:「ウルフ………どういうことだ?」
ウルフ:「さあね。俺は生肉でも食いに安楽亭にいく
      よ。…緑が森ってどこだろな♪(退場)」

二上:「揺れ動く……揺れ動く………乙女ゴコロ……
     あ!乙女心!!」
立川:「キャプテン………?」

二上:「そうだよ!これだ!魔球《乙女心》だっっ!!!」

こうして『稲の銘柄』みたいな魔球が我が純愛高校に誕生したのである。

応援団:「かっせ、かっせ、じゅ、ん、あ、い」


                        ■我らイレブンの甲子園

posted by イロ室長 at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメF11人の甲子園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月26日

君の「つむじ」まで愛している

   
――変な時間帯に君はやって来た。

最近学校を辞めた僕は、夜勤のバイトをしていたため、昼間寝ていて。
そんなおりに、君が来たのだ。そうして君は部屋に入るなり、僕の布団
の上にのっかり、冷酷にも僕を起してしまう。パチっと目を開けたら、
目の前に顔があった。その顔が『ね、アタシのこと愛してる?』と聞く
のだ。「学校は?」『午後から閉店』――。

もどかしそうに服を脱ぎ捨てて、君は僕の布団の中に入ってくる。僕の
腕の中にするするっともぐりこんでくる。君の体は、冷たいシーツのよ
うにしっとりと冷えている。心地よい冷たさ。ねえ。いつも思うんだけ
どさ。カオリは猫の匂いがする。―猫の匂い?太陽の匂い。芝生の匂い。
川の匂い。アスファルトの匂い。うーん……つまりは外の匂い。

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あのね。卵がね。まだ卵のままでいたいって言っ
てるの。やさしくお腹を撫でながら、君がまた卵
の話をする。君のお腹の中には素敵なことがいっ
ぱいつまった卵がある(いる?)のだと言う。

ねえ、今日はみんなにいっぱいやさしくしても
 らったよ


少し元気がないと、すぐ心配するんだよ。アタシはこんなに嫌な人間な
のにね。………なんか悲しくなっちゃった。それから、

そっと抱きかかえて、髪に頬を寄せると、やっぱり太陽の匂いがした。
とくに「つむじ」のあたりから。

                              ■君の「つむじ」まで愛している
posted by イロ室長 at 00:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《よしゆけ!》われらイレブンの甲子園 〜愛蔵版

  
いけない教育実習生、マサミ先生とあぶない課外授業中のエース竹内が、
夏休みこどもアニメの「タッチ」を見ていたため、試合に遅れてしまい、
ちょうど、中央線も人身事故でダイヤが乱れていて、まあとにかく、竹
内がいないということで、試合は進んでいた――。

  ■■■ 10人目のプレーヤー の巻き ■■■

二上:「おい!どうしたんだ試合中に?」

西荻:「いや、マネージャーが急に泣きだして………」
中野:「すいません。アタシが悪いんです。」

高尾:「いや僕が悪いんです。試合に負けてて苛々して、マネージャー
    にやつあたりしちゃって………」
中野:「ごめんなさい。あの、アタシ、スタンドから見てます!」
二上:「バカなことを言うな、中野!!おい、待てよ!」

(マネージャー中野を追いかける二上だった………)

二上:「美代子!………一体どうしたんだよ?」
中野:「無理です。アタシにマネージャーなんて、普通の女子高生の生
    活なんて無理だったんです」

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二上:「バカ野郎!じゃ、あれは嘘だったのか
     よ?酒の席の戯れだったのか?違う
     だろ?あの日あの安いダンスホール
     のたくさんの人だかりの中で、俺に
     キラキラ光るような瞳で、夢を夢の
     まま終わらせたくないって言ったじ
     ゃないか!」

中野:「キャプテン………」
二上:「《部活も水商売も両立させたい》って……嘘だったのかよ!」

高尾:「そうだよ。マネージャー。」
中野:「みんな………」
二上:「お前はお荷物でも、のろまなカメでもない。10人目の選手だ。
    ………さぁ、戻ろう。まだ3回ある。」

応援:「かっせ、かっせ、じゅ、ん、あ、い」

                        ■我ら11人の甲子園
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2005年10月25日

《それゆけ!》我らイレブンの甲子園 〜愛蔵版

一枚看板、エース竹内は試合をさぼり、マサミ先生と《24時間テレビ 
愛は地球を救う》を見に武道館にいってしまう。チームの間に、どこと
なく不協和音が漂う純愛高校野球部。そしてキャプテン二上は―?
 
 
  ■■■ これが全員野球だ!の巻 ■■■

二上:「おい。矢来。肩はもちそうか?」
矢来:「どうも、ストレートはもうダメみたいですね」
立川:「ここはキャプテンに代わったほうが………」
二上:「いや、ここは球の重い、矢来のほうがいい。」
矢来:「がんばります。コーナーですね?」
二上:「そうだ、思いきっていけ。1点リードしてるんだから。」
矢来:「そうっすね」
二上:「それにしても、ねちっこいチームだ………」

(敵チームベンチにて………)

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主将:「みんな。よく聞いてくれ。俺達は一人
     一人は平凡な選手だけど、チームワ
     ークだけはどこにも負けないはずだ」
部員:「やろう。自宅を改装して合宿させてく
     れた監督の為にも」
主将:「俺たちの『全員野球』を見せてやろう
     じゃないか」
部員:「おう!」

解説:「おや?山盛高校、9人全員がバッターボックスにはいるようです」
実況:「全員攻撃でしょう」

応援:「フレー、フレー、じゅ、ん、あ、い」

                        ■我らイレブンの甲子園
  
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《帰ってきた》我らイレブンの甲子園 〜愛蔵版〜

   
試合だというのに、エース竹内が静岡のおばあちゃんの家へ、マサミ先
生とお盆帰省してしまったので、我ら純愛高校野球部は8人で地区予選
を戦うことになってしまった………。


 ■■■ 驚愕!新しい助っ人!?の巻き ■■■

二上:「しかし竹内がこないことには、どうにもならんな……」
日野:「明日には帰ってくるって言ってましたよ」
豊田:「マサミ先生と熱海水上花火見に行くっていってました」
二上:「ったくしょうがない奴だ………」

豊田:「明日までファールで粘るってのはどうでしょうか?」
二上:「それも手だが………」
国立:「実は、チームに入りたいって奴がいるんですけど……」
二上:「お、なぜそれを早く言わないんだ!」

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国立:「あの、人間じゃないんです。でも世界の
     あらゆることを管理してます。すごく
     チームの戦力になると思うんです。」
二上:「何なんだ?」
国立:「マザーコンピューターで《ハル》って言
     いいます」
二上:「………どうやって球場まで来るんだ?」
 
国立:「……………………でも、偉大なる世界の指導者なんです!!」

応援:「かっせ、かっせ。じゅ、ん、あ、い!!」

                        ■我らイレブンの甲子園
  
 
posted by イロ室長 at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメF11人の甲子園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《帰ってきた》我らイレブンの甲子園 〜愛蔵版〜

  
教育実習生のマサミ先生と《あぶない課外授業中》の純愛高校野球部エ
ース竹内が「好きなら好きってちゃんと言ってよ、じゃないとアタシ、
不安になっちゃうよ………」『うん。わかった。今までゴメンね』なん
てラブラブなメールに夢中になり《下り大月ゆき》に乗ってしまったた
め、純愛高校野球部は、8人で地区予選を戦うことになった。


 ■■■ 大胆不敵!ダイナマイト高校 ■■■

二上:「みんな。ちゃんと『ぬいて』きたか?」
国分:「豊田が、親に見つかってまだみたいです」
二上:「しょうがねえなぁ…昨日ちゃんと言ったろうに」
国分:「しかしキャプテン。向こうにダイナマイトバディはいないみたい
     ですよ………ごっつい男ばっかりで」
二上:「いや。マネージャーがムチムチプリ〜ンちゃんなんだろう」
西荻:「ムチムチプリ〜ンって………」

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審判:「プレボール!」

   な、なんと。相手はユニホームを脱ぎ
   捨てた!!その腹に巻かれていたもの
   は………。

相手:「見さらせこらぁ!本モンの発破やでぇ!
     一本でもヒット打ったら球場ごとドカンや!」

青梅:「キャ、キャプテン………」
二上:「大丈夫だ。マンガじゃ大抵、ソーセージってオチだ」

応援:「かっせ、かっせ。じゅ、ん、あ、い!!」

                              ■我らイレブンの甲子園
  
posted by イロ室長 at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメF11人の甲子園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アタシより先に寝ないでね。――それが口癖だった

   
夕暮れに路地を歩けば、どこか物悲しい匂いがして、昨日から今日へ、
今日から明日へと移り変わる中で、うつむきがちに自分の足元ばかり
眺めている。

それから「さびしいね」と呟き、「さびしい、さびしい」と繰り返し
うわごとのように呟き、何度も呟き、誰かの名前を呼びたくても名前
すら浮かばない。親指の爪を噛んで、諦めと苛立ちが入り混じった気
持ちで自分を責めれば、最後に乾いた笑いがふっと浮かんでは消えて
ゆく、秋の夕暮れなのです。

     口笛を吹きながら歩くように
            毎日がすぎてゆけばいい


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遠くから足踏みオルガンの音色が聞こえて
くるような、そんなまどろむ午後を思い出
せばいい。

口笛を吹きながら毎日がすぎてゆく。誰か
がオルガンを弾いている。そんな風に、今
日が穏やかに色あせてゆく。

――君は僕の才能に嫉妬してるんだ。』嫌われても、見切りをつけ
れられて見捨てられても、軽蔑されても。悲しい予感に胸が震えた。
ふたりでは生きられなかった。多摩川の土手を並んで歩いた。冷たい
風が通りすぎた後に
、僕らは顔を見合わせて笑った。凍てつくシベリ
アからの風が通りすぎた後に
、冷たい手を僕の頬に押し付けて、君は
たしかに笑っていた。ふたりしてアルバイトをさぼって――。

「ねぇ………アタシより先に寝ないでね」――君の口癖を思い出した。

  
                         ■冷たい風が通りすぎた午後に
  

posted by イロ室長 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

《あすなろ物語》寿退社することになった安田の送別会の帰り道

     
イロさんに気に入られるのは大変だ。って…あの人は、あれでいてとて
も難しい人だ。って向こうのテーブルで司馬君たちが言ってましたよ。
「………なあ、ノッコ」『はい』批評はしてもいい。でも批判はなるべ
くしないほうがいいと、俺は思うんだ。《誰が良くて誰が悪いかなんて、
誰も決めつけることはできない。誰もがきっと自分のことで精一杯なだ
けでさ。》
そう考える時、俺は大抵のことは許せるような気持ちになる
んだよ。そうすると………すっと楽になるんだよなぁ(笑)。

《言葉には力がある。それはとても大きくて、重い力だ》
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そして表現することには責任がある。我が子
を慈しむように、俺らはそれをできるかぎり
愛さなければならない。

「北極星どれかわかるか?」
『わかりません』
「ったく………ほら、あれだよ」

北極星は動かない。旅人は昔からそれを道標とした。方角のよりどころ
とした。あれさえ見失わなければ迷うことはない。俺たちは《北極星》
になるんだ。

《人は誰でも旅を続けなければならない。
 そして僕らはみな大事なものを失いつづけながら生きている》


『じゃ、ここでサヨナラだ。ファミマ寄ってくから』
「………あの、アタシ、師匠に出会えてよかったと思います」

俺は、それには答えず、黙って手を振り、路地に入っていった。

               
                      ■そして僕らは失いつづける、エントロピーみたいに 
 
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《もっと!》我らイレブンの甲子園 〜愛蔵版〜 

インドの山奥で狼に育てられたと言う「ウルフ」をチームに迎え意気揚
揚と地区予選に挑んだ純高(純愛高校)は、緒戦から強敵にぶつかるこ
とになった。


  ■■■ 強敵!テレアポ学園!! ■■■

主審:「ストライクアウト!」

高尾:「すんません。また巧みな話術にひっかかって………」
二上:「なんだそれは?」
高尾:「………高級羽毛布団です。46回ローンです……」
二上:「うーん………」
kame03.gif
主審:「ストライクアウト!」

国分:「キャプテン。すんません………やられ
    ました」
二上:「………それは?」
国分:「ラッセン風の絵です」

西荻:「キャプテン。思ったんですけど………」

二上:「どうした?」
西荻:「クーリングオフを適用したらどうでしょうか………」
二上:「………意外と盲点かもしれんな」

応援:「かっせ、かっせ、じゅ、ん、あ、い」
 

                           ■我らイレブンの甲子園
    
posted by イロ室長 at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメF11人の甲子園 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《帰ってきた》我らイレブンの甲子園 〜愛蔵版〜 

  
突然のアクシデントに見まわれた純愛高校野球部はエース不在のまま、
地区予選を闘うことになった。その頃、エース竹内は自転車の防犯登録
で警察につかまっていたのだった………。

    ■■■ 激烈!読心術高校野球部! ■■■

真鍋:「どうも相手のチームは、人の心が読めるらしいです」
二上:「まさか………そんなはずはないだろう……」

打者:「最初は外角に逃げるカーブ(笑)」
矢来:「え?」
打者:「ほう、ストレートに変えちゃうの?いいのかな?」
二上:「タ、タイム!」

矢来:「どうも本当に読まれてますよ………」
二上:「とりあえず、様子を見てみよう。とにかく投げてみろ」

kame03.gif打者:「カーブ」
主審:「ストライク!」
打者:「ストレート………」
主審:「ストライク!」
打者:「カーブ………」
主審:「ストライク!バッターアウト!」

矢来:「キャプテン………」

二上:「どうも心は読めても、野球はヘタなようだな………」

応援:「フレー、フレー、じゅ、ん、あ、い」
       

                               ■我らイレブンの甲子園
 
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2005年10月22日

《巡礼》寝る前にアイスを食うこと、フロイト症候群他


化粧もおとして、風呂もはいって、歯もみがいて、ストレッチもやった。
後は寝るだけだ。なのに、眠りにつく直前に《アイス》を食うのか?
『バニラアイスダイエット』と言うらしい(うさんくさい)。
kame03.gif
お互いが帰る場所。それが《ふたり》で生
きていくということ。好きなことをめいっ
ぱいやるために、好きでもないことをやる
ってそして僕は今日もまたドアを開けて働
くのだ。どんなに疲れていても、どんなに
嫌なことがあった日も、ふつーの日も、
関東に大雪が降った日も、僕は、君の待つ
家に帰る。お家に帰る。

アタシはアンタの見た目や才能や給料や将来性と結婚したわけじゃな
いんよ。 悲しくなるからそうゆうこと言わないで。いいじゃん。周りから
どう思 われたって。

そんな言葉を胸に抱いて、僕は僕の「お家」に帰るのです。

                          ■わがままなところが好きだった
posted by イロ室長 at 13:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月17日

《変身》今度の金曜日、僕の家で誕生パーティーがあるんだ

   
――何見てんだよ。お前だよ。………やめろよ……真似すんなよ!

誰とも話したくなかったから、2Fの人気ないトイレの鏡で、しばらく
遊んでみる。世界を愛で満たすと言う本業にくらべたら仕事なんて『
くそ
』ほどに考えている俺は、今日も脳みそがカニ味噌で。

今日の相棒《友里》が、隣りで暇そうにしてるのを見つけ、手鏡で合わ
せ鏡をして、『見えた?自分の死に顔見えた?』と言いながら、おおい
いに盛りあがる。

 ★★★

自分がさぼってるのはいいけど、他人がさぼってるのは許せないな俺は、
フロアのパトロールにでる。「………ちっ」。何で《由美》の仕事を、
《林》がやってるんだよ。おい。林!

「いやその………仕事変わってくれたら、由美さんが、僕に‘かわいく
 ウインク
’してくれるって………。」

《由美》。ちょっと来い。「お前、一発免停な」と言いつつ俺は、来客
用スリッパで、パコーンと右側頭部を殴ったら、バランスが悪いので、
左も殴ってください
とのこと。よくわからない。

 ★★★

妹弟子の《のっこ》とだらだらと思いつくままにしょうもない雑談。
いか。《のっこ》。ついてく人間を見間違うなよ。辛くて厳しくて、そ
れでいてやさしい言葉をかけてくれる人がいたら、その人から離れるな。
しっかりついていけ。つまらない感情に流されて大事なものを見失うな
よ。――そして、その人は必ずお前を変えてくれるはずだ。

  
                            ■君も寝る時、うつぶせで寝るの?
posted by イロ室長 at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《獅子舞》ピタゴラスにだって恋の方程式は解けないのだ

   
――アタシ、もっと頭がよかったらなぁって思いますよ

と喫煙室でため息混じりに《坂口》が言うので、そう言えば「獅子舞い」
に頭を噛んでもらうと、頭が良くなる
ことを思い出し、発泡スチロール
とビニールで、午前中いっぱいかけて、獅子舞を作り、《坂口》のいる
3Fまで出張し、カパカパそのほとんどカニ味噌でできてる頭を噛んで
やってるとやっぱりパーなので

あ、なんかいいっすよ。これ。頭がよくなってくような気がします

って、すごく嬉しそうに八重歯をむき出して満面の笑み。

 ★★★

そんでメシ食って。暇で。しかし、ゴッホも生きてるうちに売れたのは
友人に売った一枚だけ
って、キツイよなぁ。なんて考えてると、そうい
えば《まさみ(坂口)》そろそろ利口になってるかなとふと考えるとい
てもたってもいられなくなった。で、また3Fにいく。

『なあ、《まさみ》さぁ……』「ん?何?飴くれんの?」

これな。この三角形な。んで、一番短いやつで正方形をつくる。したら、
2番目に短い奴でこれまた正方形をつくる。……………どう思う?


「これとそれ足したら、長いので作った奴と同じになりそう」

 ★★★

秋の空に背伸びをして、がぁーっと叫んで、隣りにいた《まさみ》の頭
をとりあえずぐじゃぐじゃにする。シュウちゃん――。わざと不器用に
生きようとした僕の「身勝手な弱さ」をたしなめてくれた。

――シュウちゃん。僕はきっと上手に生きているような気がします。

                         ■わた雲がソーダ水の泡のようにみえた午後
posted by イロ室長 at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月15日

《逃避行》人を愛するってことをしっかりと捕まえるんだ

   
ベットの上で、そこに互いがいることを確認しあうように、何度も抱き
あって。彼女が小声で何かを呟いているのに気づいて、僕は彼女をじっ
と見つめる。彼女はそんな僕をしばらく見上げて、

………愛してる………

と声に出した。それから、涙がすっと流れ落ちる。静かな涙が彼女の瞳
から、ぽろぽろこぼれ落ちる。ずっと言えなかった。言いたくても言え
なかった。どうしても言えなかった


――愛してる………愛してる………愛してるの。

 ★★★

がばっと起きて、憂鬱のどん底に浸る。あぁぁぁぁぁぁ。頭をぐじゃぐ
じゃに抱えて、声にならない叫びを上げる。あぁぁぁぁぁ。

俺は何て夢をみているんだ………

俺なんて死ねばいいんだ。でもそうかんたんに死ぬことはできなくて、
「夢精」してないことを確認して、キッチンにいって水を飲む。洗面台
で、冷たい水を頭から被る。あぁぁぁぁぁぁ。それからスエットに着替
えて真夜中の甲州街道を全力疾走した。あぁぁぁぁぁぁぁと言いながら。

《亜美ちゃん》ごめん。本当にゴメン。と思いながら――。

                       ■人を愛するってことをしっかりと捕まえるんだ
posted by イロ室長 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月14日

《親父の小言》ドライブインには海亀のはく製があるものだ

 
地方都市のそのまた近郊の住宅街に「すずらん通り商店街」がある。そ
こにある居酒屋「黒牛」に、私が通うようになったのは、ある一つの
が原因である。

居酒屋の箸袋といえば「親父の小言」が有名である。そして、この「親
父の小言」よく山中の鄙びたドライブインでも見かけることがあるだろ
う。しかし、ドライブインにはどうして「海亀の剥製」があるのだろう
か?
………まあいい。――話をもどそう。

この居酒屋「黒牛」に置いてあるものは、甚だ奇怪なまったくの別物で
あった。「親父の小言」は私の故郷である奥州相馬藩が発祥といわれて
いる。その亜流だろうか………。ではその実物を紹介しようと思う。

         《嫁の小言》

   ヒゲを添ったら、洗面台をきれいにしろ。
   シャンプーを使ったらもとのところにおけ。
   新聞を見ながらメシを食うな。
   仕事より家庭を大事にしろ。
   どうして靴の中敷をちゃんと使わないの?
   車の中でタバコを吸うな。
   新聞を読んだら、最初のページにしておけ。
   コタツの中に靴下を脱ぎッぱなしにするな。
   いつになったら物置片付けてくれるの?
   トイレの電気つけっぱなしだったわよ。
   風呂場の電気つけっぱなしだったわよ。
   玄関の電気つけっぱなしだったわよ。
   灯油入れるのはアンタの仕事でしょ。
   アンタの歯ブラシ、サッシの掃除に使ったからね。(一部抜粋)


と、面くらった私だが、いくつが抜粋してここに紹介した。そして、こ
れだけでは終わらなかったのである。(つづく………かも)

                       ■ドライブインには海亀のはく製があるものだ
 
posted by イロ室長 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《風呂》ちゃんと足拭いて上がってこないと嫁が怒ります

  
――赤ちゃんほしいよぅ。

まだ言ってんの?そんな、急にできるもんじゃないでしょ!
と《しぃ》。怒ってる。しょうがないので、カーテンにしがみついて、

「ねぇ、ねぇ、ごはんまだぁ?ねぇ。お腹空いたよぅ。」

って揺れながら言ってたら、がつんとレールがはずれてしまった。死
ぬほど怒られた。凹んだ。泣きそうになった。でも諦めなかった。
『カレーつくってるとこ』と《しぃ》は言うけど、俺にはどうみても、
お湯にいれてあっためてるようにしか見えない。

 ★★★

はじめてあったとき、今までの誰とも違う何かを感じた。不思議な人だ
と思った。でもね……アンタの知らないとこで、アタシ、いっぱい泣い
て来たんだからね。《しぃ》ちゃんを泣かすなよ。わかった?

わかったわぁかったよ。何か説教臭くなってきたので俺は風呂に――。

《しぃ》は昔俺が渡したラブレターを人質にとって好き放題だ。全ての
男性同志諸君に言いたい。熱愛は年と共に恥かしいものに熟成していく
のだ。いつか俺は、それを見つけ、川辺で燃やさなければ安心して墓に
入れないだろう。大体、将来息子や孫達が、俺の誤字脱字の恋にもだえ
たラブレターを見て、大笑いしてたら
どうするのだ。

「ちゃんと足ふいてから上がってきて。いっつも水びたしなんだから。」

――了解。
           
                      ■ちゃんと足拭いて上がってこないと嫁が怒ります
posted by イロ室長 at 12:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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