2006年02月28日

《イロ日記》まったく今さら、生娘でもあるまいし、と俺が言う

 
――俺の車には「みかんのしめ縄」がついている。

『寒い』といったら負けのゲームで、3秒後にそれをすっかり忘れてし
まい、「寒い」と言ってしまった。なので、そういう低脳な奴らがいか
にも思いつきそうな罰ゲーム
をやらされている。しかしどこで買ってく
るんだ?今時、こんなの実家の田舎でも見かけねえぞ。それから《谷部》
の車を借りたら、ハンドルの右下に変な取っ手がある。『これ、チョー
クか?』と聞いたら「チョーク!?今時チョーク!!!」と大笑いされ
る。どうもこれはサイドブレーキらしい。
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昼飯も食って落ちつくと、やはり俺の中の
ロックが騒ぎ始める。なので、近くにいた
《笹口》の後ろから肩を回し、管理部のフ
ロアを指差しながら、耳元で『笹口。いつ
かアイツらを見返してやろうぜ』
と親指を
立てる。「な、何いってんですか!?みん
な僕にすごくよくしてくれる人たちですよ。
そうやっていい加減なこと言って、変な噂たてないでくださいよ!!」
『お前いつまでそうやって自分にウソをつきつづけるんだ?悲しいウ
ソを、いつまで?え?』

――ねえ。何か最近、アタシのこと意識的に避けてない?

するどい。亜美ちゃんにはかなわない。『何で?』「いや、その、あの、
でも」『ちゃんと言ってみなさい』「これには深いわけがあって…。
『アタシと話す時はちゃんと目を見て話すって約束したよね?』「あ、
ごめん………。」『で?』「何か、微妙に変な気持ちになるから嫌なん
だよ。」『変な気持ちって?』「とにかく変な気持ち」『ちゃんと言っ
てよ』……言えるかよ。そんなこと。さあ。どうする、俺?

                           ■どこか遠い所に行って人生を一からやりなおしたい
  
posted by イロ室長 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イロ自作選集1 僕と君の「すずらん通り革命評議会」

  
僕らは、金が無くなると朝一でコンビニに行き、バイト情報誌を買って日
払いの仕事をした。

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まとまった金が入ると、また何するともなくゴロ
ゴロしていた。あの頃、ほんとうに何もしなかっ
た。朝起きてテレビをつけて、ぼんやりして。ま
た寝て。人はこんなにも何もしないでいられるこ
とを知った。
そして、思い出したように、僕らは
性交した。ただそれだけの日々だった。ただ、そ
んな今が不思議で、時々「どうして?」と聞く僕
に、彼女はいつも同じように答えた。

『だって人生の中で一番大事な時間を過ごしているような気がするの。』
「こんな生活が?」
『今、あなたから離れたらきっと一生後悔するわ。』
「何か学べた?」『人としての‘心意気’を。』

――演歌みたいだ(笑)。

………二年後。彼女は念願の資格をとり、それからまた二年後に仕事で
行ったシンガポールで出会った、水道の蛇口のセールスマンと結婚した。

あの頃の手帳には、彼女がどっからか拾ってきた、四葉のクローバーが
挟んである。僕らの三年間。そんな三年間を思い出すと、僕が腕枕で寝
転んで天井を眺め、手のひらの皺を数え、時々、スエットの毛玉をつま
み取り集めて、その隣りで彼女がコタツで辞書をひき、季節だけがメリ
ーゴーラウンドの背景のように、流れて消えた。そんな、時間だった。

あの頃の手帳には、彼女がどっかから拾ってきた四葉のクローバーが挟
んであって。続きのない物語が、ずっと眠りつづけている。


                     【ハックルベリー王朝の盛衰】より一部抜粋
posted by イロ室長 at 01:07| Comment(0) | TrackBack(1) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月27日

《イロ日記》 アタシ、もう三ヶ月生理がこないんです

 
――えっ!?また『生理』がこないの?そうなの?

《ちよこ》の告白を聞いた時、俺は涙がでてきてしょうがなかった。と
いうのは俺は二課の民生委も兼ねていて、様々な相談を受けるのはいい
のだが《ちよこ》はこれで3回目なのだ。(前回も前前回も、ただ遅れ
ていただけだった)
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『お前等…ほしくないなら………………何で
 つけないんだっ!!!』


俺は泣きながら《ちよこ》の頭を鷲掴みにし
て、ガンガン壁に叩きつけた。
そして、それ
からハッと気づいて「ごめん…ごめんな!痛
かったろぅ…?」と思いっきり抱きしめ、ふ
たりして、さめざめと泣いた。そうやっていつまでも泣いていた。

俺は「立川」に用事が、《しぃ》は「代官山」の美容院に。ので立川で
俺はおろしてもらい帰りは電車で。家に帰りふと気づくと、そうだよ。
家の鍵は車のキーと一緒じゃないか…どうする、俺?

――本当はいつも思ってた。アタシはもっとやさしくなりたいのに。や
さしくしてあげたいのに。いっぱい、いっぱい愛してあげたいのに……
ごめん……ごめんね…。
6月の歌を聴いて、彼女が残したそんな言葉を
思い出す。雨の日。彼女は『井の頭線』に乗りかえるため、ホームに降
りて。傘も電車の床も線 路も濡れていた午後。そして………僕らはそれ
っきりになった。

                     ■「であった頃に戻ろう」なんて無理言わないで
posted by イロ室長 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《恋愛クリニックSP》 一歩引くことで愛を勝ち取った昌代(18歳)の呟き

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知りたいと思う気持ち
   一緒にいたいと思う心

物語が始まる予感に、胸が高鳴る夜

            ――愛の言霊――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


『男と女って一体何なんだろうね………』ひさびさに合った卒業生のS
さんが、遠くを見ながら呟きます。そして一口、お酒を含み髪を無造作
にかきあげました。普通の男なら、ちょっとしたこんな仕種に、女を感
じるところかもしれませんが、愛の黒帯でもある僕は『やるな』と思う
だけです。そして彼女がここまで技をみがくには、どれぐらい悲しい別
れを重ねてきたかと、ふっと思いをはせます。愛は感じるものでも、経
験するものでも、相手から貰うものでもありません。『愛は自分の中で
育てるものです』。少しずつ、喜びや悲しみを積み重ねていくことで、
何モノにも替えることのできない、そんな宝物になるのです。

                         ■二度目のデートでどこまでいけばいいのか悩んだ

僕は一度、Sさんを本気で怒ったことがあります。あまりの激しさにS
さんは先生に何か悪い霊、もしくは動物霊がとり憑いたんではないか?
とすら思ったそうです。それはSさんが愛のトレーニングのあまりの辛
さに『もう恋なんてしない』なんて弱音をはいた時でした。生徒を殴る
ことなんてできないと思った僕は、とりあえずそばにいた《鈴木》とい
う同僚の横っ面を思いっきりひっぱたきました。『バカヤロウ!愛は…
愛は弱者の言い訳でも、か弱き大人の代弁者でもないんだ!立て!愛は
気やすめでもボランティアでもない。自分との戦いなんだ。一瞬の気の
迷いが命取りになるのが恋の世界だ。俺はそうやって選手生命を絶たれ
た奴を何人も見てきた。今やらなくていつ恋するんだよ!』と、勢い余
ってまた、映写機をセットしようとしていた《鈴木》を蹴り倒していた
のです………。

                         ■「もう恋なんてしない」と誓った理由(わけ)は?

もしも、最近なんか倦怠気気味でマンネリ感が漂うふたりだったら?兵
法三十六計の【擒賊擒王】はそんなあなたにうってつけの恋の高級テク
ニックの一つです。

      ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
       〜一歩引くことで愛を勝ち取った昌代(18歳)の呟き〜

       俊夫:「見て………江ノ島に灯台が灯ってる。」
       昌代:「うん。……子どもの頃、いっつも思ってた。」
       俊夫:「………え?」
       昌代:「楽しい時間って、どうしていつもあっという間何だろう?」
       俊夫:「………………。」
       昌代:「どうして、このままでいられないんだろう……って」
       俊夫:「………………………。」
       昌代:「いつか何かが変って、俊夫が私のことを忘れてしまっても、
            それは悲しいけど、仕方ないことだと思う。今は永遠じゃな
            いから。だけど………」
      ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


「将を射んとすればまず馬を射よ」という言葉があります。恋愛におい
ては「彼をモノにしたければ、まずその親に気に入られよ」という意味
で昔から使われてきましたが、今の世の中、家族の有り様も様々で、そ
の「馬」に「親」がなかなか当てはまらないのが現実です。では彼の「馬」
とは何か?ここで、昌代は勝負に出ます。

昌代:「今感じているこの気持ちだけは、ずっと覚えていてくれる…お願い。」

そうです。このけな気さ。思わずぎゅっと抱きしめたい思いに今僕はい
っぱいです。で、【擒賊擒王】とは中心(人物)を押さえれば、あとは
OKという戦略で、昔は「彼の親」でした。しかしこの複雑な現代社会
において、彼の中心とは彼の「存在」そのものなのです。それは目の前
にある彼の姿そのものではなく、もっとスピリチュアルなもので、彼と
は一体何者なのか?それは永遠の時の中で、無から有を有から無を繰り
返し、生命を流転する何かで。くわしくは手塚先生の『火の鳥』を読め
ばわかります。だからこそ、昌代は無常の中の一瞬のきらめくような愛
を俊夫に求めたのです。そう、愛とは一箇所にとどまることを許されな
い、悲しい物語なのだから………。

                       〜兵法に学ぶ女の恋愛学 その18【擒賊擒王】
posted by イロ室長 at 00:59| Comment(0) | TrackBack(1) | 土曜カメG恋愛クリニック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月26日

《イロ日記》「人魚姫って切ないよね」と亜美ちゃんが笑うから

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唯一の道楽でもある『健康ランド』に行く。
名も知らないおっさんたちと、ちょうどやっ
ていた高校野球をみて小ぎれいになってきた
のに。風呂掃除をサボっていたことがばれて
また汗だくになる。何かがどこかで間違って
しまったのだ。何かがどこかで。こんなはず
じゃなかったと、子どもの頃の俺が、今の俺
を責めたてる。
そうさ、俺なんか生まれてこないほうがよかったんだ。

『そこ、そのゴムのところカビが生えてる。あと排水溝の髪の毛も。』

全てを男にゆだねてしまうのは、主体性がないんじゃなくて。それは一
瞬のきらめきを、幸せな未来と引き替えに選んだとうこと。すべてを失
って も《今》を握りしめたいということで。それは『まっすぐではか
ない』 ということだ。

――それはとても『まっすぐで、はかない』ということだ。

何かに没頭してる男の横顔を見ているのが好き。諦めを背負いつつなお
も戦う男が好き。今を生きている男が好き。そんな男の傍にいられるな
ら殴られてもいい。ひどい扱いされてもいいと《さっちん》。『ちょっ
とMなんじゃないか?』と俺。「まあね」と親指を立てる。《さっちん》
今日も仕事に行かず、パチンコに行った彼氏に今朝、殴られた顔で笑う。

嗚呼、明日がくるのだ。転んでも凹んでも。ため息をついても、謝りた
いと後悔しても、どうか僕らの足元を、できるだけ明るく照らしてくだ
さい。行く先を見失わないように。何気ない一言が昨日を苦しめても、
さりげない一言ですべてが救われるのなら、僕は、もう少しだけ、期待
してもいいかな。って思うのです。
そんな夜でした。

                       ■ブリーチ・ブリーチ、行くぜ脱色だぁっ!
 
posted by イロ室長 at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《イロ日記》 冬の匂いがすると彼女を思い出します

   
あれだ!俺はフロアを飛び出し3段抜かしで4Fまで駆け上り《山内》
の髪を鷲掴みにして、パソコンのキーボードに何度も叩きつけた。んj
bfsvんdsfって感じに画面に文字が出で、一時、顔でも打てるも
んなんだなと感心する。『な。何なんですか!?イロさん突然!?』

お前、会社に入ったばっかりの時、身の上話したよな?大体のやつは高
校卒業したら街を出るような何にもない田舎町で育って。親父は蒸発し
て、兄貴が親代わりになって俺を育ててくたけど、本当は自分の夢を俺
に重ねてるだけだって
。地元にモデル目指してる彼女がいて、金持ちの
ボンボンに寝取られちまったっても言ったよな?

……浜省じゃねえかよ!マネーぇぇ。なーんたらクレイジィ~♪じゃね
 えか!この虚言癖野郎!ええい!こうしてやる!こうしてやる!』
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そんなんで怒りがおさまらない俺は。《友里》
を見つけ『お前さぁ、ラブホにカレシと自転車
で行って、ビニールの‘のれん’手でくぐって
入って部屋のドアの前の駐車スペースに2台並
んでチャリ停めてたことバラされたくなかった
ら。《怪物くん》のフランケンで「フンガー!!」
って言え。今すぐ言え。』


――で、俺はとても満足した。充実感すら感じた。

冬の匂いがすると彼女を思い出して。冬の日溜りのような人だった。投
げやりな僕を抱きしめ、猫のように顔中を唇で撫でながら、『この髪が
好き、この耳が好き、この瞼も、鼻も、唇も、アタシは……全部好き』

と言って僕を愛してくれた人。サヨウナラ、僕を、最後まで、愛して、
くれた人。季節はめぐって。ねえ。思い出はいつも冬の匂いがするよ。

『どんなに冷たい言葉を言われても、どんなに辛い仕打ちをされても、
 アタシは絶対にイノウエ君を嫌いにならない。だって《愛してる》っ
 てそういうことだと思うし』


冬の匂いがすると彼女を思い出して。冬の日溜りのような人だった。

                       ■冬の淡い日溜りで抱き合い春を待ちわびていた
posted by イロ室長 at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月25日

イロ自作選集1 この女はバラエティしか見ないのに勉強だけはできるのだ

  
――マサミはバカなので昼は教師をやり、夜は春をひさいでいる。

テレビの電波にあたりすぎたのだろう。そういうのがカッコいいと思っ
ているようだ。可哀想に、ちゃんとした教育をうけてこなかったか、
学生の時に隣りのお兄ちゃんか、担任の男性教員に、イタズラをされて

それで脳にショウジョウバエの卵を発生させてしまったのだろう。中途
半端に可愛いというのはそういうことだ。いわれのない損をする―。

『《ひぃちゃん》もアタシを一度買って見てよ。もう。すごいわよ』
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俺は思いっきりマサミに頭突きをかました。
酒の勢いもあってか、ゴンっ!ではなくガン
っ!という音がして、相当痛かったのだが、
当のマサミは、目をとろんとさせて、色気の
ある目で俺を見ている。
打ち所が悪かったの
か?しかしこの女はバラエティしか見ないく
せに勉強だけはできて、しかも気持ちいいこと
して金までもらっているのだ。

『ねえ。人間の少女に恋してしまった《子ぎつね》は、一生懸命がんば
ったんだよ。ばれないように尻尾をいつも気にしていたよ。アタシね。
《子ぎつね》から手紙もらったんだ。子どもの頃』と、マサミがゲロが
こびりついた手で財布から紙切れを出す。


 あしたはやまの『ほしまつり』ひですらきたかたらきていらさい

マサミをアパートまで送っていって、投げ捨てるようにベッドにおろし
た。毛布をかけて『おやすみ』といった。『おやすみなさい…』と寝言
が返ってきた。カチャンと静かにドアを閉めて外に出る。涙が出たのは。

たぶん久しぶりに「おやすみ」なんて言ってしまったからだろう。

                          【ハックルベリー王朝の盛衰】より一部抜粋
 
posted by イロ室長 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月24日

《恋愛クリニックSP》講演「この想い、彼に伝えて―」より そのラブレター間違ってますよH

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下に紹介してある文章は、僕が去年『この想い
彼に伝えて―。〜渡せなかったラブレター〜』
というタイトルで講演したとき、配布して使っ
たプリントの一部です。

〜 相馬イロ講演『この想い、彼に伝えて―』 〜



【T】ラブレターを書く時に、どんな辞書を使ったらいいのか?
【U】はじめから諦めていたら、恋はあなたを見限ってしまう。
【V】以下の文章は、これまで僕の講義で提供してもらったラブレター
   のサンプルから特徴あるものを抜粋しています。ちょっと目を通
   してください。


■敬語の使い方がわからない。

突然このようなぶしつけな手紙を差し出す失礼をお許し下さい。きっと
あなたは、私みたいな小娘など相手にしてくれないとは思いますが、ど
うしても私の気持ちを知ってもらいたく、今手紙をしたためております。
あなたは私を妹みたいな存在とおっしゃってくださいました。どうして
も妹なのですね。私が作ったお弁当を、あなたは「お美味」だと申して、
お食べになってくれました。あなたが私の報告書を拝見になられた時、
『よくできてるね。これ自分で書いたの?』と申してくれて…(以下略)。

(解説)相手を敬いたい。互いに尊敬できる関係だから。その気持ちは
    とてもよくわかります。ただもう少し敬語の使い方を勉強した
    ほうがよいかもしれません。


■青春三部作である

『――まったくこんな子みたことない』散々てこずって赤子をとりあげ
た助産婦はため息混じりにそういった。驚くほど小さい赤ん坊だった。
だか、泣き声は恐ろしく大きく、三軒向こうの床屋「ワタナベ理容」の
旦那が何事かと飛び起きたと言う。父、健一郎はこんなときも無口だっ
た。興味がないのか、いつもどおり「原子爆弾」と呼ばれる闇焼酎をち
びちび飲んでいたらしい。『満州から引き上げてきて以来、人が変っち
まったように無口になった』と、祖母が時々そういっていたのを思い出
す。まだまだ戦後の気運が抜けきらない時代に、ようやく希望の光が見
えてきたころだった。私はそのように、九州のとある炭坑の街であまり
望まれず、生まれてきた。………(以下略)。

(解説)自分のことを知ってもらいたい。私を見て。もっと今より知り
    合いたいから。そんな気持ちから、詳しく書きすぎたのかもし
    れません。でもあんまり長いラブレターはカレが最後まで読ん
    でくれなくなる可能性があります。それに三部作にする必要が
    あるのでしょうか?


■『取り説』みたいになっている

最初にお読みください。付属品のプレゼントを確認する。保護シートを
取り除く。会員登録のはがきを送る。保護シートを取り除く。現在の時
刻と日付をセットする。(私の気持ちがつたわらなかったら?)⇒P3
へ。保護シートを取り除く。私のラブレターの特徴。お好みモードで、
自分なりのスタイルで恋愛してみる⇒P4へ。……(以下略)

(解説)うーん。ちょっとねぇ。狙いは悪くないんだけど、説明書って
    読まない人が多いしねえ。つーか、保護シート何枚貼ってある
    んだよ。ちょっと狙いすぎだと思いました。


                     【相馬イロ講演『この想い、彼に伝えて―』】より一部抜粋
 
posted by イロ室長 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメG恋愛クリニック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《イロ日記》愛はまるで砂の城ね 出来た瞬間波がさらう

 
「え〜今日、友里なの?」朝一で不満な俺。で、ぼけーっと装置を眺め
つつ、あまりにも暇なので『何を作ってるんでしょ〜〜か?』ジェスチ
ャーをやる。ミリオーンスロットーぉ!!

『あ、わかった!アタシわかったよ!!‘おにぎり’でしょ?』
「ブー。正解は……‘手こね寿司’でした。おら、頭出せ。」
『い………っっ、、、たぁぁぁーい!!』

当たり前だ。来客スリッパで思いっきりひっぱたいたんだ。『ちっくし
ょう………もう一問、こいやぁーっ!』と涙目の《友里》。ふと、バカ
とじゃれてるのが一番たのしいなと思う。やっぱり人間、素直でほがら
かなのが一番だ
。付き合いがさわやかだし、さっぱりしてる。『ねぇね
ぇ。見てて見てて!』 暇な俺らは、すこし壊れてきている。そんな、
《友里》は受話器を持ち、フックを指で抑えて、内線をすばやくキャッ
チした。『テレクラ取り〜〜〜♪』
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俺はそれがとても嬉しかったので。また、来客
スリッパで《友里》の頭をパパパーンとひっぱ
たいた。俺はそれがとても嬉しかったので。そ
れから。小嶋が何かメモしていたのでそれだけ
で俺はムカついた。
なので『おら。今ポケット
に入れたの出せ』とひったくるようにメモを奪
うと、何か詩めいたものが書いてある。

   壊れやすい僕の心を 君がいつも強くしてくれるから

………………………お前は、自分で自分のことを真面目に「壊れやすい
心」だと思ってんのか?本気で思ってんのか?小嶋は目を真っ赤にして
うつむいている。親御さんはこのこと知ってんのか?………まあいい。
今回のことは俺の心の中にしまっておくから。ほら。仕事に戻れ。「変
な男が最近増えたもんだ」と思いつつ俺はメモをちぎりゴミ箱に捨てた。

                        ■「もっとやさしくしてよ!」と強くたしなめられました
posted by イロ室長 at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イロ自作選集1 『 夜明け前の牛丼屋でいつも何か思い出そうとしていた 』

 
――僕らみたいなクズが腹を立てたら負けなんです!!

クズはクズなりに社会の片隅で生きていけばいいんです。と『不揃いの
林檎』みたいなことを《久保田》がいうので。俺はやり場のない怒りを
もてあます。俺の超能力を使って、くだらない奴らに鉄槌を加えること
は簡単だ。あいつらの自転車の前カゴをしらないうちに、少し凹まして
やろうと思った俺を、同じく六回に一回はサイコロの目を当てる能力を
もつ《久保田》が涙目で押さえつけた。

どうかみなさん。僕らが生きたことを忘れないでください。真夜中の光
にさそわれて、そこでしか生きれなくて。僕らは、求めたいのにそれが
何かわからなくて。待ち望んでいるのにいつか忘れてしまって。
夜明け
前の『牛丼屋』で何か大事なことを、いつも思い出そうとしていた。
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つまらない男だと、分かっていながら体を
重ね。淋しさを紛らわすために『愛してる』
とささやくのだ。淋しさを紛らわすために。
そんな毒にも薬にもならないような男と過
ごす自分の将来を、彼女は気の遠くなるよ
うな思いで眺めた。――冗談じゃないわ。
 

  いいことも悪いこともあるっていうけど、
  どうして悪いことばかりが、こんなにも長く続くのだろう?


どうして?アタシ、いい子にしてたでしょ?ずっとずっといい子でいた
のに。どうしてみんなアタシのところから離れていくの――?夜明け前
に帰ってきた彼女は、出勤までの短い時間、着替えもせず、そのままの
姿で毛布にくるまる。そして眠りにつく瞬間、無意識に呟くのだ。

『ママ……。』 どうか僕らが生きたことを、忘れないで下さい。

                        【ハックルベリー王朝の盛衰】より一部抜粋
posted by イロ室長 at 10:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《イロ日記》宇宙から「ガガ―リン」が俺のことを見ているので


――というわけで皆でちょっとこの本、読んどいてもらいたい。

といって月一会議で部長が渡しはじめたのは『チーズはどこへ消えた?』
で。はじめ俺は、何かの手違いじゃないのかと思ったが、本気(マジ)
らしい。俺はどうしようもなく中央線を止めたくなった。軽い偏頭痛が
して、常備食のノーシンをガリガリ食った。それから怒りがおさまらず
会議中ずっと『チーズはどこへ消えた』の余白に地球の絵を描き、まだ
時間があまったので、想像でガガーリンを描き、吹き出しに『俺ん家ど
こかな?』と付け加えた。俺はひとりで「ぷ。おもしれ」と含み笑い。
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それでもまだ会議は延長して、車通勤の人
の交通安全指導の日がどうのこうのと、病
んだ俺の精神を逆撫でするようなことを言
っていたので、次のページでガガ―リンが
ソ連の小学校の校庭に児童が並んで「イル
クーツク三小」と人文字を作っている
のを
宇宙から見て微笑んでる絵を描いた。

愛してるって言ったでしょ?じゃあ、朝起きたら、アタシの顔を思い出
して心の中でオハヨウって言って。日が暮れたら今日一日のできごとを
すべて語って聞かせて。アタシが呼んだら真夜中でも車で駆けつけてき
て。週に一度は会社を休んで朝から夜までアタシを抱いて。24時間抱
きしめて24時間『愛してる』ってささやいてよ!!アタシはいつもあ
なたに心の中で一日中話しかけているわ。あなたが呼べば風呂の途中で
素っ裸で飛び出してかけつける。一晩中抱きしめて髪を撫でててあげる。
一睡もしないで見つめててあげられるわよ。アタシはできるわよ!!


2月の風の手触りを、君が生まれた季節を「ただそれだけで」こんなに
も楽しくなれるのならば。すべてうまくやっていけるような気がした。
すべてうまくやっていけるような気がしたはずなのに。

                         ■「そんなに乱暴にしないで」と軽くたしなめられました
posted by イロ室長 at 00:13| Comment(1) | TrackBack(1) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月23日

《恋愛クリニックSP》講演「この想い、彼に伝えて―」より そのラブレター間違ってますよG

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下に紹介してある文章は、僕が去年『この想い
彼に伝えて―。〜渡せなかったラブレター〜』
というタイトルで講演したとき、配布して使っ
たプリントの一部です。

〜 相馬イロ講演『この想い、彼に伝えて―』 〜



【T】ラブレターを渡す時、CIAがからんでいたら?という不安
【U】出会いがなければ別れもないわけで
【V】以下の文章は、これまで僕の講義で提供してもらったラブレター
   のサンプルから特徴あるものを抜粋しています。ちょっと目を通
   してください。


■七五調になっている。

初めてあったあの宵に、胸の高鳴りおさえつつ、後姿を見送った。押さ
えられないこの気持ち、眠れぬ夜がありました。『あぁ、私が鳥だった
ら』と、ため息混じりにつぶやいて、西の夕焼け眺めれば、ただひたす
ら淋しくて、恋しくて、涙ばかりが頬を濡らすのでございます。『会い
たい、一目でもいいから、あなたを見たい』と、30分早起きし、ホー
ムで待った乙女心、嗚呼、あなたはは知るよしもない………(以下略)。

(解説)なんかね。語調を整えるのはいいんだけど、それはそれで、
    誠実さが伝わってくるのだけど。なんか『演歌の花道』っぽ
    いんだよね。努力はみとめますが………。



■エロい

このあいだの『温泉旅行』楽しかったね。今度、冬になったらスノボに
いこうよって、もうミキたちと話して盛りあがってます。あの、帰りの
車の中で、みんなが寝ているときに、タカユキ君に行った私の気持ちは
本当のものす。今の私の素直な気持ちです。それがどういう結果になっ
たとしても私はきっと後悔しません。いつも眠りにつく前にタカユキ君
は今何をしているのかなって考えます。横顔を声を思い出して、泣きた
くなるような時もあります。そして胸がうずき、あなたの息づかいを感
じ、指が勝手に動いてしまいます。………(以下略)。

(解説)まずいね。前半はよい感じで進んでいました。素直で素朴で、
    そしてピュアな気持ちが伝わっていたのですが、後半どっかで
    スイッチが入っちゃったんだね。もう少し落ちついて。そして
    控え目に。今僕に言えることはそれだけです。



■ユーミンっぽい

元気ですか?新しい環境に慣れました?卒業して半年、私も慌しく充実
した日々を送っています。この間お盆の時、中央公園で××君を偶然見
かけたんだよ。でも何も言えなかった。卒業写真の面影がそのままだっ
たから……。それにその日に限って、安いサンダルをはいていたし。ダ
メだよね。私って、いつもそう。××君にマユミがいると知ってて、そ
れでも私は辛い片思いを3年間も続けて…。でも今はその傷ついた日々
は、運命が用意してくれた大切なレッスンだと思う。そう素敵なレディ
になるための。どうして、私たちは出会ってしまったのだろう?お互い
好きなのに寄りそえられない。二度と会えなくなるなら、あの時、もう
少し素直になりたかった。あなたを信じてる。瞳を見上げてる。ひとり
残されても。あなたを思ってる。………(以下略)。

(解説)ユーミンっぽいっていうか、最後、そのままじゃないですか。
    ラブレターはたとえつたない文章でも、自分の言葉で書いたほ
    うが、気持ちが伝わりやすいものです。


                     【相馬イロ講演『この想い、彼に伝えて―』】より一部抜粋
 
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《イロ日記》「何か最近のイロ日記はすっかりエロになっちゃって」と言われた

 
――イロさん。本当に行っちまうのかい?

俺は立ち止まった。立ち止まって唇を噛みしめた。肩が震えるほど激しい
涙が流れた。『《ツネ》さん。ごめん。ごめんよ……たとえ人でなしと
言われても、人として間違っていることだとしても、俺は、俺は………
夢を捨てては生きれないんだ。』大学2年の春、ひどい「鬱」になった
俺は、そのためか軽い記憶障害になって、都心の繁華街で野垂れ死にか
けていた。
俺はホームレスのツネさんに拾われ、数ヶ月、一緒に暮した。

――イロさん。また俺を一人ぼっちにするのか?

涙が止めど無くながれた。止めど無く流れた。迎えに来た友達が困惑し
たような顔をしている。肩を寄せ合うように過ごした数ヶ月が目に浮か
ぶ。俺はあの19歳の夏の数ヶ月を忘れない。ツネさん…。俺は今も、
夢にすがりついて生きている。たくさんの人を裏切り、それでもなお、
生きているのだ。そして、生きていることを忘てはいけないと、それだ
けが生きている者のつとめだと、時々ふと思う。

『何だか最近のイロ日記はすっかりエロになっちゃって』
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昔は、正々堂々「文学」で勝負してたのに、
今はエロが多くて、何だかイロさんが遠く感
じるっていうか……『てゆうか昔のアンタは
違った』昔のアンタは、ナイフのように尖っ
てて、触るものみな傷つけて、キラキラと光
るような文章を書いていた。そんなアンタは
俺達の憧れだった。
みんながアンタのように
なりたくて、アンタのスタイルを真似した。そして誰もアンタにはなれ
なかった。後輩Sが酔っ払って俺を殴り、同じく酔っ払ってる俺はしゃ
がみこんだまま立てない。ただ卑屈な眼差しで後輩を見上げるばかりで。

お前等は俺になろうとした、太宰になろうとした、三島や谷崎になろう
とした。だけど俺ははじめから誰にもなりたくなかった。その辛さが、
その苦しみが、お前にわかるか?俺はゲロした。吐きながら涙が出た。

                          ■ジョバンニ。ラッコの上着がくるよ
   
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2006年02月22日

《恋愛クリニックSP》気軽に始めた恋を愛に変えた美穂(22歳)の底力

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恋人を想う気持ちはあなたを裏切らない

 恋人を疑う気持ちが
    あなたを欺くのです――。

            ――愛の言霊――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


僕の初恋はとても長くて、6年間ずっと片思いを続けていました。中学
高校とずっと好きでした。どれぐらい好きだったかと言えば、部屋にあ
る親父が社員旅行で行った北海道みやげの木彫りの熊に「マキ」と、彼
女と同じ名前をつけて、その日々の恋模様を話しかけていたぐらい好き
でした。そしてその卒業の日。一大決心をした僕は駅まで一緒に帰って、
その途中で告白しようと思っていたのですが、声をかけようとした瞬間
彼女は、母親の車にのって帰ってしまったのです。「とんだ茶番劇さ」
と僕は苦笑いして、あまりの悔しさに、とりあえずエロビデオを借りて
その日は帰ったのですが、今思うのは『どうして、タクシーを呼びとめ、
‘前の車を追ってくれ’と言わなかったのか?』ということです。みな
さん。今しか生きられない時間を大切にしてください。愛はみかえりを
求めます。人魚姫が、声を失ったように………。

                     ■待つことすら喜びだったあの頃を思い出して

『恋』はあなたに喜びを与えます、そして『愛』はあなたに幸せをもた
らすでしょう。『恋』はあなたを不安にし、『愛』はあなたに信じる強
さを教えてくれます。男性は、あなたが考えているいじょうに臆病で、
いつも何かに怯えています。男なんて所詮そんなものです。いつハゲる
かと怯え、大殺界に怯え、いつも必要以上にドキドキしながら自動改札
をくぐり、ラジオやCDのクラクションにびくっとしたり、まあとにか
く、男は臆病なのです。《恋》が《愛》まで昇華してない時、男性は、
「いつこの恋を失うのか?」そんな思いでいっぱいで、だからこそ、女
性を試したりするのです。そう、この僕ですらかつて彼女を疑い『授業
中に手をあげて俺を好きだって、もし言えたら抱いてやるぜ』なんて、
そんなことしたらクラス中に「人格というか精神を疑われる」無理を要
求し、彼女を困らせたこともありました………。

もしも状況からなかなか恋が芽生えなかったら?恋をする環境が整って
ない場合は?兵法三十六計の【抛磚引玉】は、甘い餌に飛びついてきた
男を手玉にとるという恋の高級テクニックの一つです。

                     ■遠くから見つめているだけで幸せだったのに

      ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
      〜気軽に始めた恋を愛に変えた美穂(22歳)の底力〜

      美穂:「………いっつもこんなに早く来てるの?」
      健二:「うん………まぁ………」

          二人きりのオフィスで、それぞれ仕事の準備。やがて…。

      美穂:「あのね。川崎君。ちょっと動かないで。」

          美穂、椅子の後ろから健二にキスをし、耳元でささやく。

      美穂:「あのね。アタシ、好きかも………」
      健二:「……でも丸山達が伊東さんは誰とでもやる女だって……」
      ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


いやぁ。ドキドキですね。どうなってしまうのでしょうか?書いてる自
分ですら先が読めません。このように【抛磚引玉】というのは、自ら高
嶺の花になることを避け、てごろな女になることによって相手をゆだん
させ、本当の愛を手に入れるという手法なのです。そう、仁義の世界に
おいては「追われるものより、追う方が強い」のですが、恋愛の世界で
は『追う方より追われるもののほうが強い』のです。恋愛は好きになっ
た方が負けです。恋愛とは、好きにならなければいいのです。なんだか
自分でもよくわからなくなってきましたが、ここで美穂はてごろな女か
ら最高の恋人になる魔法の言葉を告げるのです。その言葉とは――。

美穂:「バカね…アタシがこんなことするのはカワサキ君だけよ………」

来たよ。これです。例えばとある場所にいって『アタシ初めてなの』と
言うのが「ふざけんな!」でも『こんなことするのは××君だけよ』と
いうのは、なんか切ない夏色のメモリーです。すでに彼女であったり、
結婚しているのなら、こんなことするのは自分だけなのは当たり前なの
に、俺は、というか世の男は毎回言われたいのです。是非、今晩あたり
言ってみては?
                       〜兵法に学ぶ女の恋愛学 その17【抛磚引玉】
posted by イロ室長 at 02:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 土曜カメG恋愛クリニック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月21日

《イロ日記》 今思えばそれが大冒険の始まりでした………

  
《ノッコ》のミスのリカバリーでテンパってると内線54からコール。

「もしもし?」『カメよ。カメさんよ。』俺の中の何かがはじけた瞬間
俺は受話器を叩き置くなり、階段を3段抜かしで4階まで駆け上った。
頭の中ではレッド・ツェッペリン『移民の歌』が流れていて、飯を食っ
ていた《山内》を見つけるやいなや、弁当箱を鷲掴みにして、その頬に
思いっきり押しつけた。
『テメエ、何様のつもりだ?』それからふと思
い出したので『オメエの0と6は紛らわしいんだよ。これから0には、
絶対/を入れろ。分かったか?この糞ボケが。』と捨て台詞で去った俺。

――アタシ、いい女になれるかなぁ………。と《ノッコ》が言う。
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『なれるよ。俺が言うんだから』「でもいい
女ってどういうのです?」それはな。男と女
は『向き合ってるときだけが恋人』
だって知
ってる女だよ。愛情が人を縛りつけるのを知
ってて、過去を責めず未来を約束せず、悲し
く自制している女さ。大丈夫だよ。ノッコ。
「憧れ」や「夢」に手をかけた瞬間、その「希望」
は、半分成功したようなもので。そしてあとの半分は『運』だということ
を思い知った時――。お前は大人の女になるんだ。

そんな俺とノッコのもとへ、青ざめた小嶋がやって来て言うのだ。

『チェリーハンターは三秒あれば十分らしいです。三秒ですよ。』

                       ■夕暮れが淡い影を落とした1945年ベルリンの黄昏
   
posted by イロ室長 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月20日

《イロ日記》暇なのでくるくる回って「一人めまい」を楽しんでると…

 
うすらデブの《山内》がまた記入もれだったので「内線54番」する。

『はいはーい。しもしも?』俺は、受話器を叩き置くなり、階段を2
段抜かしで4階まで駆け上り、まだ受話器をもったままの《山内》を
見つけて、髪を鷲掴みして壁におしつけた。
『テメエ今度、そんなふ
ざけた電話の取り方したら、ぶっ殺すからな』それから、ふと思い出
したので、歯の隙間からしぼりだすような声で『オメエの1と7は分
かりずれえんだよ。1の頭は二度とつけるな。わかったか?
』と捨て
台詞を残して去る。
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僕は『透明人間』なので、誰も僕をつかま
えることも、見つけることもできませんで
した。そうやって得意になっていましたが
駅の改札コージーコーナーの前でへたりこ
んでいると、女の子がやってきてこう言う
のです。『よかったぁ。人がいた』僕は雑
踏と彼女を見比べました。

『アタシには見えないのよ。自分に関係ない人はすべて。もうね。さ
 びしくて、さみしくて死にそうだったわ。だってもう一ヶ月ぐらい
 誰とも口をきいてなかったからさ。ねえ。まともな話がしたいわ』

暇だったので、くるくる回って「一人めまい」を楽しんでいると、小嶋
が真っ青な顔して、こっちにやって来る。


『どうも、チェリーハンターは決って満月の夜に童貞を奪うらしいんです。』

小嶋が瞬きもせず一気に俺に言う。かなりマジだ。

                             ■『去年あげたからいいでしょ?』と今年のバレンタインだった
posted by イロ室長 at 23:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イロ自作選集1『どうして歯医者の待合室にはにはきまって熱帯魚がいるのだろう?』

 
高校一年の夏休みに初めて性交をした。

歯医者の待合室で、午前と午後の診察の間の時間に、長椅子の上で僕と
四歳年上の彼女は、下だけを脱いで、そそくさとことをすませた。まる
でマーキングみたいに。お互いに印をつけあった。それだけが意味のあ
る行為のように。――どうして歯医者の待合室には、きまって熱帯魚が
いるのだろう?
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午後のまどろみのなか、どこからかピアノの音
が聞こえて、小学生はプールへいくのだ。出前
の食器を回収するそば屋のバイクの音が通りす
ぎ、日差しは、白く、他人事のように外を照ら
していた。そして僕は、彼女の手のひらに射精
した。
それから、すりガラスの向こうに、真夏
の雲を見た。誰もいない8月の、時が止まる午
後2時の住宅街の通りを見た。

『彼女がつけてくれた銀歯は、大学2年の冬、後期試験の最中に、キャ
 ラメルを食べていたら、とれてしまった。』

なんとなくバカにされている女の子が実家の仲間内にいて、地元のスキ
ー場で声をかけられて、なんとなくバカにされている女の子は恋をして。
流暢な標準語と、品川ナンバーに心うばわれて。「今度、東京にあそび
に来なよ。」といわれて、本気にしてGWにあいにいったら『え?ホン
トに来たの?』といわれたそうです。なんとなくバカにされている女の
子は『てへへ』と笑って、みんなにこの話しをしました。


善人も悪人も登場しない物語のように、時が記憶を撫ぜてくれるならば、
思い出の中に、やさしい風を吹かせてくれるのだろう。真夜中に、いた
ずらに自分を責めても、尚も心地よいぬくもりを思い出すのだろう。そ
して君は歌えばいい。日溜りの中で愛された日々を、待ちどおしい朝を。

                    【ハックルベリー王朝の盛衰】より一部抜粋
posted by イロ室長 at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月19日

《イロ日記》 ‘奥さんがいるくせに’って遠まわしに

――そうか。あれは「奥さんがいるくせに」って意味か………。

うまいこと言うな……と一人納得する。午後の渡り廊下。ひまわりが背
伸びして見える。風にゆれて。そんなつもりじゃなかったのに。という
わけで、2号館の女たちが俺をうさんくさい目でちらりと見て通りすぎ
た昼休み、「ぐぁぁぁぁぁ」と叫び、地面をくやしそうに叩いていると
そそくさと逃げゆく。ふん。ブタどもめ。泣きそうになったけど無理や
り笑って空を見上げた。そうさ、何も知らない彼女達には……

俺の中に詰まってるマーブルチョコのような夢の輝きが見えないのだ』
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さあ、今日も明日もがんばろう。季節はこん
なにも輝いているのだ。君も僕も、素敵なた
くらみを、くだらない思いつきの、ひとつひ
とつをしたたかに現実に変えていくんさ。今――。

       ――さあ、諸君、宴の時間だ。

『今思ったでしょ?』「え?何?」《工藤》はコンプレックスの塊のような男
なのでよくこうやって自虐的に自己否定する。『商業出身のくせに簿記の
一つもとらないで、どうせ軟派な商業で女に囲まれて、‘毎度おさわがせ
します!’なんだろ?って僕を見てた。』どんな目なんだよ?おら。用が
ねえなら、もう、どっかいけよ。

さっき‘亜美ちゃんとの週末の余韻’に浸ってましたよね?』

橋本とは、ただの友達だって言ってんだろ?おら。消えろ。今すぐにだ。
と………、入れ違いに小嶋がシリアスでやってくる。………イロさん。俺、
マジやばいっす。あぁぁ。やべえやべえよ………。

――どうも、チェリーハンターは『素人童貞』は匂いでわかるらしいんです。

                         ■「どうせ気やすめで誘ったんでしょ」と君が笑う
posted by イロ室長 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月18日

《恋愛クリニックSP》 揺れ動く相手の気持ちをしっかり受けとめた佳美(16歳)の決定打

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いつもこれが最後になるかもしれない
そんな思いで、あなたにキスをした
 

            ――愛の言霊――
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


恋愛に王道はありません。そこにあるのは相手をひたすら想う気持ちと、
わきあがるような幸福感です。もしもマニュアル通りに、愛することが
できるのならば、そう何回もフラれちゃいませんよ。僕は。ただの美人
は三日で飽きます。だけど可愛らしい子ってのは、一緒にいてそう飽き
ることはありません。1日じゃれていても、まったく疲れないのです。
完璧なものに対して、人は威圧感を感じます。モデルを使ったポスター
に鼻毛を書くのは、そんな男の物足りなさの表れです。不完全だからい
いのです。完璧な裸よりも、体に何か一部身につけていたほうが、その
方が俺は、いや、世の男性はぐっとくるものなのです。

                      ■「好き」という字を書いては消していた少年

いい別れ方をしましょう。次の恋愛にひっぱるような別れ方はNGです。
恋のプロはどんな時でも前向きに別れなければなりません。それがどん
なに糞みたいな男であっても、花道を与えるのが女の器量というもので
す。大丈夫。「あなたが、やさしすぎるから……」と言えばいいんです。
やさしくて別れるなんてよくわからない。なんて考えてはダメです。そ
んなたいした意味なんてないんです。言ってる本人もわかってません。
イミグレーション行ったら、とりあえず、「サイトシーイング」って壊
れたCDみたいに、繰り返してりゃいいのと同じなんです。「あなたが
やさしすぎるから………」これです。

                      ■カレのことを考え眠れない夜が続いた

別れ際は美しくなれればいけません。私のクラスのスローガンは、「清
く、美しく、そして強い女になれ」です。強い女です。したたかな、粘
り強さと、その微塵さもみせない、穏やかな微笑み。これが私のクラス
の理想像なのです。さて、どうしても「あなたがやさしすぎるから」で
は、男が納得しない時、どうしますか?私のクラスにはそれぐらいで諦
めるコは一人もいません。私の生徒なら、男とガチンコで勝負するとき
に、十段目ぐらいまでの備えを当然のように用意します。「やさしすぎ
る」で粘られたら次は『もうこれ以上あなたを傷つけたくない』です。
傷ついていようがいまいが関係ないのです。とにかくこれ以上傷つけた
くないから別れたい。意味はないけど説得力のある言葉ですね。もしも
あまりにも仲が良すぎて、恋愛関係に発展しづらかったら?兵法三十六
計の【欲擒姑縦】は気持ちと逆なことを言って相手のハートをモノにす
る恋の高級テクニックの一つです。

                      ■こんなに人を恋するということが辛いなんて

      ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
      〜揺れ動く相手の気持ちをしっかり受けとめた佳美(16歳)の決定打〜
     
       佳美:「ちょっと男子、学校でそんなHな本読まないでくれる?」
       男1:「あ、やべ。じゃあな」
       男2:「あ、俺も、部活に行かなきゃ。」
       佑作:「ったくうるせぇなぁ、お前は俺のしつけ係りかよ」
       佳美:「公然とそういうの見るのもセクハラなんだからね」
       佑作:「(無視)すげぇ。このダイナマイトバディ(死語)!」
       佳美:「………。」
       佑作:「………佳美の貧相な体とは違うよなぁ………」
       佳美:「ちょっとぉ!アタシのどこが貧相なのよ?」
       佑作:「ここが。(胸を片手で鷲掴み)」
       佳美:「キキキキキ、キアアアァァァァァ―――っ!」
      ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲


これです。これなんですよ。少年というものは、二つの憧れを持ってい
るのです。一つは『教育実習に来たお姉さん』そして、もう一つは上記
の『幼馴染的ケンカ友達』です。そんな幻にも似た憧れを胸に、少年は
いつか男になってゆくのです。このように【欲擒姑縦】というのは、好
きだ好きだと相手を追い詰めて、逆に嫌われるよりも、一旦突き放して
自然な関係から愛をモノにするという手法なのです。そして、佳美はこ
こで決定的な一言で佑作をノックアウトします。少年が女のコに言われ
て一番嬉しい言葉それは………。

佳美:「最低!もぅ大ッッッッ………………っ嫌い!!」

そうです。「好き」と「嫌い」紙一重。ぱしーん。と佳美は平手打ち一
発、退場。そして佑作の頬には手形が。でも佑作はそんな痛みがちょっ
と嬉しい。思春期の男の子ってふ、し、ぎ。

                      〜兵法に学ぶ女の恋愛学 その16【欲擒姑縦】
 
posted by イロ室長 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜カメG恋愛クリニック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

《イロ日記》俺はまだバカと呼ばれているかと思ったら話題にすらなってなかった

 
『情けは人の為ならず』の意味知ってます?と《倉田》が、さも俺は知
ってるぜという顔で聞く。『みんなの為だ』と俺が言う。みんなが思い
やりをもてば、社会がよりよくなるというものだ。そうだろう?と言う
と、よりによってこの俺を『コペルニクス的大バカ』と言うので、俺も
カチンときた。こ、この野郎!ペテルブルグだかアブトロニクスだか知
らねえが、それが何なんだよ!

イロさん。地球は太陽の周りを回ってるんですよ。俺は、顔がいいとい
うだけで、俺より女子社員にちやほやされている《倉田》が前からとい
うか初対面から嫌いだったので、今日から「太陽が地球の周りを回って
いて、しかも月と交替で空を受け持っている」
と思うことにした。

――イロさん。助けてくださいよ〜。由美さんが………。

と《岡本》と《坪井》が俺のところに駆けこんで来る。まったく今日は
騒々しいなぁ。聞くと、こいつらは『ケチャップリンズ』というコンビ
名でお笑いタレントを目指しているのだが、今日《由美ぶ》に半ば強引
に、コンビ名を『シックスナイン』に変えさせられたらしい。『嫌です
よそんな卑猥なコンビ名』と岡本なんかもう半泣きになっていた。
kame03.gif
ただ生きていくことは楽でございます。そ
れは自分のことだけ考えて生 きていけばい
いことにすぎません。しかし自分のことだ
けを考えて生きていくというのはあまりに
も悲しすぎます。誰かのために生きようと
した時、人は悩みます。しかしそれはかけ
がえもなく尊いことだと思うのです。そし
て自分が『愛するもの』のために生きていると実感するのは、それ以上に
幸福なことと、イロは今日の午後思いました。


                         ■夏祭りの帰り道、ジャリ道をふたつの幸福が歩いてゆく
posted by イロ室長 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 土曜はカメムシを探しにU | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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