もしも僕が大金持ちになったら。いまよりももっとボロな家に住んで、いまよりももっと貧乏くさ
いかっこうをして、のこりの人生を、ネッシー捜
索にささげたいとおもいます。
俺が中学校の時にかいた作文だ。その作文をみて教員がいったのだ。
『イロ君。ネッシーはまだわかるけど、貧乏な家ってどういうこと?』
――先生。人の恨みや妬みほど、やっかいなものはありませんよ。
と言いかけたけど、当時俺は男子中学生という、脳が一生のうちで、一
番、カニ味噌化している時期だったのと、自分の超能力に気づき、自分
が普通の人とは違うことを、うっすらとわかりはじめていたのもあった
ので、あえて何も言わず。そして……黙って、書き直した。
僕が大金持ちになったら、コンクリートうちっぱなしの三階建てのモダ
ンな近代住宅をたてて、週末には部下を呼んで、庭でバーベキューをし
たり、出勤前にジムに行き、外人とスカッシュしたいと思います。休日
の朝には、駒沢公園を愛犬のシェパードと散歩します。そしてネバーラ
ンドの近くに別荘をたてて、ときどき起こるマイケル騒動を暖かく見守
っていきたいと思います。
――アンタは、ムカついているときほど、楽しそうないい笑顔をする。
クレーム処理でFカップ暴れ乳《宝田》が、1時間もカウンターで粘ら
れ俺に泣きが入ったので、あまりにも暇でタウンページ八王子版を1ペ
ージ目から読んでいた俺が代わる。ちょうど手があいているので、定時
まで三時間遊んでやるかと、非常に丁寧な対応で論理をすりかえて煙に
まいて、楽しんでいるうちにむこうが疲れてギブアップする。
『まさに毒をもって毒を制する。』恩知らず《宝田》がつぶやく。
■そんな彼女の鼻ちょうちん《邦楽篇》
−IRO& CHEMICAL CORPORASHIONS


