――あ、イロっち。3係の原田君。やっぱりアタシに気があるって!休憩室に入るなり、《有里》
たちが嬉しそうな声で俺に言った。俺は、無言で、
テーブルの上にある紙をとりあげ、破いてゴミ箱
に投げ捨て、胸ぐらでつかんで、しぼりだすよう
な声で語りかけた。
――会社で、「こっくりさん」を、やるなっていったろ?
したら俺を探していたらしく「あ、いたいた」という声とともに、F
カップがやって来てまた漢字の読みを聞く。――《運命》
ふーっ。俺は天を仰いだ。仰ぐと同時に、「ゆとり」教育もここまで
きたのかと嘆息した。また同時に「戦争に負けるということは、こう
いうことなのか」と泣きたくなった。
――宝田。これは《運命【さだめ】》って読むんだぞ。
■昭和任侠伝 Fカップとすごした日々8
−IRO& CHEMICAL CORPORASHIONS


