嫌な連中を相手にして、ちょっと人を見下したような態度が鼻について
俺はよほど超能力をつかってしまおうかと思ったが、超能力はそんなこ
とにつかうもんじゃないと我が一族の掟にあるので、なんとか自制した。
まったく。俺がバカのふりをしているのは、世をしのぶ仮の姿であって、
本当は自転車の前カゴを知らない間に4台同時に少し凹ませるぐらいの力
(超能力)があるのだ。それを隠すために阿呆のフリをしているのだが、
やはり俺も人間なので、バカにされると多少気になるというか、実は凹む。
そんなこんなで俺が嫌な気分になっていると《亜美ちゃん》が来て、こ
んなことを言うのだ。
『だってバカなんだからしょうがないじゃん』
「だよね。あいつ等なんか相手にしたってカロリーの無駄だよね」
『違うよ。イロちんが、バカなんだよ』
「あ、そうか、俺、バカだった。あは、あはははは。そうだそうだ。」
――そうだよ。イロちん。……バカが一番素敵で、一番偉いんだよ。

《亜美ちゃん》………いつも、ありがとう。俺は
トイレで少し泣いた。
ふと、ミツバチになって、花の中で全身これ花粉
まみれになって、『かぁーっ!たまんねえなあ!
畜生ーっつ!』と、身もだえしたい。と、そんな
ことを考えて、まさかな………と苦笑いする。
ハクション大魔王の最終回を思い出して、見上げた空は潤んでいて、
それは僕の涙なわけで。それを話したら《サイトウユウコ》が、『赤毛
のアンのマシュウが死ぬときは、もっと泣けます』なんて言うのだ。こ
の女は、そんなことを言うのだ。そして――。毎日いろんな人にかこま
れて、訳がわからないまま、ぼくは今日もひとりぼっちです。ハクショ
ン大魔王は帰ってきません。どんなに懐かしんだって、時代は逆戻りし
ません。僕等は――。
まだ出会ってすらいないんだ。きっと。
■猫もつれてゆこう、好きにやればいい
−IRO& CHEMICAL CORPORASHIONS


