2005年07月24日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@2004-2005》 あとがきにかえて

        
        〜 イロ/グレイテスト・ヒッツ vol.1 INDEX 〜

多分、会社の女の子みんな俺に気があるよ ●片思い日記、盗み見したの僕です 
どうして可愛い子は一次会で帰るのだろう ●Qちゃんは居候なのにご飯50杯
今夜、すべての女の子の財布にスキンを ●もう、三ヶ月生理がこないんです 
スッチーと合コンするって本当ですか? ●2005「まつぼっくり」騒動勃発
彼女ははじめから何もかも分っていた ●そんな君と僕のLove・Love社員旅行
ダメ。今はアタシのことだけ考えて… ●ごめん!こいつ毎週火曜日が生理でさ 
顔はぶたないで!アタシ、女優だから ●バタークリームだからダメなんですか?
涙の数だけ全裸になっていいですか? ●彼女は遊覧船を巨大な「おまる」と笑う
将来の夢は、どこか遠いところへいきたいです ●お兄ちゃん……アタシ、平気よ
どうしたんだい?ボクのかわいい子猫ちゃん? ●寒い夜、君と僕の「ペチカ」三昧
またいつものように、たとえバカと言われても ●背中のチャック上げてくださる?
アタシ今日、学校で誰ともしゃべんなかったわ ●シャンソン歌手の新春歌謡ショー
咲かせて見せます恋の徒花 ●ジョニーは戦場へいった、僕は何処へいくんだろう?
奈緒子が空港に行きたいというので ●好きになった人に奥さんがいただけ
お嬢さん、その上履き捨てるんだったら僕に下さい ●そんなアイツは唇ドロボー
 


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     〜あとがきにかえて〜


さて。旧知の方、お久しぶりです。そして、
まだ僕をよく知らない方、はじめまして。
作者です。最後まで、おつきあいいただき、本当に、ありがとうござい
ます。『イロ・グレイテストヒッツ VOl@』は、無事、予定の30回を終
え、これにて、いったん終了でございます。このイロ日記は、mixiで公
開しているものを、すこし手を入れて、たくさんの誤字脱字を直しまと
めたものです。今、あらためて見なおすとよくこれだけバカなことしな
がら生きてるもんだと、実感します。

「イロちん。考えすぎはダメよ。バカになりなさい。」

『後先を考えずに、相手がどう思うか考えすぎずに、やりたいと思うこ
とを、やるべきことを、いっしょうけんめいやればいいのよ。』そんな
《亜美ちゃん》の言葉を胸に、抱きしめたくなるような日々を、ただ愛
しく思いながら、僕は今日も笑ってる。

――愛しい人の傍で、笑っているのです。


              平成17年7月24日 COCO一番楢原店にて

                             作者


(※イロ日記は現在もmixiにて、イロ&幕末合唱団の名で、毎日更新し
  ています。よろしければそちらも楽しんでもらえれば幸いです)

―――――――――――――――――――――――――――――――――
《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@ 2004-2005》

2004 12 25 初版第一刷発行
2005 07 24 初版第二刷発行

著者/ イロ室長(相馬色ノ介)

 (C)愛するより愛され隊企画

発行者/千葉たくや
印刷所/八王子大王乳業

発行所/アコナイトレコードメディア事業部

2005年07月22日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~奈緒子が空港に行きたいというので


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――素直で利口そうで、ちょっとコケットなタイプの女の子

《しぃ》がホウレンソウのおひたしを作りながら言う。何それ?と俺が
聞く。急に何言い出すんだろう?

『アンタを好きになる女の子のタイプ。アタシ、こう見えてすごい《や
 きもち》やきだって知ってるよね♪


《しぃ》が笑うが、目が笑ってない。つーか、包丁こっちに向けないで
ください。俺も笑った。ひきつった顔で。そして、お互いの肩を笑いな
がら叩き合った。釘を刺されたということか………。

 ★★★

手際のいい話。

姉貴の友達のアパートに居候していた夏があった。大学一年の夏だ。
夜中に腹がへって、彼女が残り物で簡単なものを作ってくれた。僕らは
ベッドで新大久保の喧騒と、救急車の遠い唸りを聞きながら、神聖な儀
式のように、黙って食べた。

僕は彼女がてぎわよく、ありあわせのもので何かつくるその後姿を、ベ
ッドの中からぼんやりみていた。で、何が言いたいのかというと、その
手際のいい手つきというものは、すごくセクシーなのだと気づいたとい
うことである。


                          ■イロ・セイブ・ザ・クイーン


――なんか、それとなく好きな気持ちを伝える方法ないの?

二課の女どもが言う。………それが人にモノを乞う態度か?と頬を鷲掴
みし、ガムを吐き出させ『ないこともないな。』と、どごで買ってきた
かわかんねぇ、安っぽい《麻子》の財布から
100円勝手に抜きとって、
ユニマットで一番セレブな、レギュラーコーヒーを買う。

 ★★★

『まあ、無難にいきたいのなら………』「うんうん」
え〜今フリーなの?立候補しちゃおうかなぁ。』とか。「あぁ、あぁ」

――例えばさ、気になるアイツに「元気?」とか聞かれたらお前らどう
  するよ?

『元気だよ!ってアピールするわよ。ねぇ。』

バカ、そっからもう違うんだよ。それじゃ会話が続かねぇだろ?元気でも、
なんか最近ちょっとねー。」とか、言わないと男だって、誘いづらいじ
ゃんか。じゃ、練習。

 ★★★

『工藤さん、ひさしぶり。元気?』
「うーん、なんか最近パッとしなくてさぁ」
『……ダメだよ仕事のストレスは発散しなきゃ。気晴らし気晴らし』
「なんかね、アタシ、出不精だから……。」
『じゃ、今度どっかいこっか?』
「あ、いくいく。」

――OK!よくできました。俺は《麻子》の頭を叩いて笑った。



                           ■恋人に立候補しちゃおうかなぁ。



――《奈緒子》が空港に行きたいというので、成田まで車を飛ばして。

「飛んでいくよ。空に。」
『ああ、飛んでいくなぁ………』

僕は眩しそうに見上げ、タバコに火をつける

アタシ、飛行機が飛び立っていくのを見るの好き。」
『………うん。わかるよ』

僕らはそんな風に、休日の午後をぼんやりすごした。強い瞳、自分を
責める弱さ、ひどく心細そうな後姿。昔………昔の思い出。



                             ■奈緒子が空港に行きたいというので

                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月20日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~好きになった人に奥さんがいただけ


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――好きなんよ。アタシ、死ぬほど好きなんよ。

アンタに会えない土日がすごく長くて、すごく辛くて……………でも、
 でも、どんなに好きになったって、こんなんしょうがないじゃん……
 …どんなにアタシが想ったってどこにも届かないじゃん。だから、も
 う、アタシに話しかけないで、お願いだから……もう、ほっといて!


ゴメン………変なこと言っちゃった………ゴメン、忘れてくれる?ゴメ
ンね………。

5月18日(水)午前10:20分。どんな顔で何を言えばいいのか分
らなくて、多分、情けない顔で、僕はぼけっとつったっていた。シリア
スな展開についていけない小嶋が、青ざめた顔で、隣りで、きょっとん
としていた。

 ★★★

悲しいことり。僕は君を愛せない。君がカレを忘れられないように。君
は僕を愛せない。僕が《今》を捨てられないように。君が言ったように、
僕らはどこにもいけない。どこにもたどり着けない。そうして、言葉は
どこにも届かず、漂い死んでいくだろう。そうして、時間が流れれば、
《今》が変わっていく、僕らはその様子を、生きられた季節の結末を、
悲しげに見とどけるのだろう。


 ★★★

それから僕は、車を出して、あてもなく20号を山梨方面へ向っている。
さめざめと泣きながら、夜をやり過ごそうとしている。

――自分のためではなく誰かのために泣いたのは、ひさしぶりだった



                     ■お願いだからアタシのことはもうほっといてと言われた


――ちょっと爪見せてみろ。………おら。切れ。

一人保健係り実行委員ウイーク』真っ只中の俺は、爪、ハンカチちり
がみ(ちりがみ?)チェックに忙しい。ほら、並べ並べ、竹内……○な。
《千恵美》お前、ハンカチもってなくてトイレどうしてんだ?トイレッ
トペーパーって………お前、男子中学生かよ。ったく、この虫けらども
が。俺がいなくなったらどうやって生きてくんだ?

 ★★★

高校の頃。当時俺のギャクに唯一がっぷり四つに組んで対抗できる女が
一人いた。バリバリのヤンキー娘で(本人はマジ工藤静香のつもり)、
誰も俺たちのラリーについてくることができなかった。

高3の夏。彼女は40過ぎの妻も中学生の子供もいる、おっさんと付き
合っていた。『卒業したら、結婚するんだ。』っていつも言って、『
低の女なんよ
』っていつも、その奥さんをけなしてた。

夏――。部活の帰り、ボックス席の電車で夜、開け放した窓から、カエ
ルの鳴き声がうるさいぐらい聞こえた。僕は彼女と駅でたまたま会った。

《 そうして彼女は、ずっと、ずっと、泣いていた。 》

夏がくると、たまにこのことを思い出す――。

 ★★★

しょうがないから、廊下で逃げられないから、あいさつをすると君は、
何も知らない君は、うれしそうに笑って手を振って通りすぎた、5月
17日(火)午後2時43分――。


                             ■好きになった人に奥さんがいただけ


――やはり、巡り会うべくして巡り会ったとしか思えない時がある。

夫婦というものはきっとそういうものなのだろう。というのは、俺が、
仕事から帰って今日、ごきげんで風呂に入って歌ってたのだ。どんな
に疲れていても、俺は風呂にさえ入ればごきげんなのだ。安上がり…
……いや、燃費のいい男と呼んでもらいたい。で、風呂で……。

 明日は卒業式だから これが最後のチャンスだよ
 指の震えを抑えつつ 僕はダイヤル回したよ
 君のテレフォンナンバー6700………


と、ここで俺は髪をすすぐために、口を閉ざしたところ、遠くキッチ
ンから、

 「ハロー」と言う《しぃ》のつぶやく声が聞こえてきたわけで。

 ★★★

今日は、休日出勤で、暇なのと、人気がないことをいいことに、回転
椅子で、くるくる、くるくる、くるくる、くるくる、回ってたら(俺
は、回転椅子で回るのが好きなのだ)、ひたすら、回ってたら、本と
に気持ち悪くなっちゃって、一人でトイレで吐いて、吐いてるうちに、
なんだか自分がどうしようもなく情けない人間のように思えて、最低
の人間のように思えて、きっと、

つげ義春の「無能の人」は俺なのだ》と思い、泣きたくなりました。



                             ■君のテレフォンナンバー6700………
  
                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~彼女ははじめから何もかも分っていた


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)

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「お茶の水」に行って、モーリスのギターを買った。家で、歌いながら
《亜美ちゃん》の言ったことを思い出している。

はじめて課の飲み会いったときさぁ。二次会のカラオケ行くとき、ア
 タシ結構歩くの遅いでしょ?みんなから一人遅れてさ。そんときね。
 イロちんだけ、みんなから離れて、ぼんやり立って待ってんの。


――そんときね。イロちん何て言ったか覚えてる?(覚えてない)。

『“おいで”って言ったの。アタシそん時ドキっとして、この人だけは
 絶対好きになっちゃいけない。こういう人を好きになったら、絶対
 のめりこんで、不幸になるからって言い聞かせてた(笑)。』



                         ■思いこんだら一途に愛して


――大っっっ…嫌い。この強情っぱり!

《野口》が言う。遠くで会話を聞いていた《美和》が「イロっちは、最
近ほんと《野口》気に入ってるよなぁ。」と紫煙を吐き出す。ああ、5
月だなぁ。

そうなのだ。俺は気に入れば気に入るほど《いぢりまくる》のだ。たま
にやり過ぎると泣かせちゃう時もあるけど。俺は小学生の頃、クラスの
好きな女の子はかならず泣かせてきた。いや、自然にそうなってしまう
のだ。別に泣かせるのが趣味じゃない。

 ★★★

しかし何が可愛らしいと言うと《野口》が精一杯考えた末の悪口が「強
情っぱり」なのだ。俺は貧乏長屋に育ったせいか、そういう『育ちのよ
さ』みたいなものに弱い。顔でもなく、ファッションセンスでもなく、
色気でもなく、洗練されたものごしでもなく、そういう『育ちのよさ』
である。


 ★★★

渋谷のパルコから帰ってきて、八王子の東急スクエアにいく。デパート
の床は妙に砂っぽい感じがした。俺は悲しくなった――。



                             ■大っっ嫌い、この強情っぱり!


――浪人していた夏、彼女のアパートに入り浸っていた。

浪人していた夏、僕は予備校の夏季講習にも行かず、パチンコ屋でバイ
トしていた彼女のアパートに、入り浸っていた。彼女に言わせれば、僕
は彼女に似ていたし、僕から言わせれば、彼女が僕に似ていた。

そうして、僕らは肩をよりそうように一夏を過ごした。
そして彼女は僕を村上小説の主人公みたいだと言った。

『一人の女の子が出て行くと、また自然に次の女の子が現れてイノウエ君を
 世話してくれるのよ。あたりまえのように自然に。』

 ★★★

彼女だけが僕の書いたものを、評価してくれて、「絶対何があっても、
書くことを辞めちゃダメよ」と言ってくれた。そんなことを言ってくれ
たのは彼女だけだった。

僕が東京に行く日、彼女は駅のホームで一瞬真顔で、何か言いかけてや
めた。あのとき、彼女がちゃんと何か言葉にしていたら、何かが変わっ
ていたのかもしれない。


そうして今僕は、もうあの街に帰れないことだけ分って、だけど、ここ
にいる理由がわからないまま、君を思い出している。東京で――。


                             ■彼女ははじめから何もかも分っていた
  
                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月17日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~どうしたんだい?ボクのかわいい子猫ちゃん?


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――アンタねー。そりゃアンタはいいかもしんないけどぉ!

誰もバカになった俺を止めることはできない。お前の涙も俺を止められ
ない。今さら失うものなど何も無い。とうとう俺の「つむじ」に神が光
臨した。というわけで、やたらケンカごしで、誰それかまわず、

――何だよ、お前、俺に抱かれたいんだろ?

と言ってしまう今日この頃。でも奴らも適度に脳みそがカニ味噌なので、
待って、アタシがつけたげる』と指サックをまあ、なんだその、口で
ナニようとしたり「後のバージンはアナタのものよ……。」と、切り返
してくるのはまあ、やっぱりどうしようもないくらいバカなのだろう。

でも俺はこいつらがたまらなく好きだ。本当に大好きなんだ。

 ★★★

夕方の休憩は5時15分から5時45分までです。

《美和》たちが、最近ぱっとしないから、なんか、休憩をぱぁっと過ご
したい。というので、ボロ布を集めて、結んで、目の前のドブ川で『白
線流し』をやって、みんなで「空も飛べるはず」を歌う。

《小嶋》が「イソップ――っ!」と絶叫したが、それは違うと思った。

とにかく俺はこいつらがたまらなく好きで。



                         ■お前、俺に抱かれたいんだろ?


――呼び捨てに弱い。

これだけでは訳がわからないだろう。俺は女の子に名前を呼び捨てにさ
れるのに弱い。と、今日、思った。ので、そうしろと周りの女たちに言
ったら、言われてるうちに、何かすげーむかついちゃって。はっ!と気
づいたことは、そうかこいつらは、女性としての規格外だったな、とい
うことで。

とりあえず、「みりおーんすろっとぉぉぉ!」と言いながら、
つむじを思いっきり叩いてやった。まあ、十分だろう。


暇なので、まだ空想を続けていたら、そうか、俺は「命令口調に弱い」と
思った。基本的にMなのかもしれないというか、Mなのだ。小学校の時、
放送委員で、密室の放送室で、学校のマドンナからされた数々のしうち
を僕は今もわすれない。

 ★★★

――昨日俺は自分へ手紙を書いた。(ノイローゼだったのだ)

何書いてんの?と聞かれたので、《しぃ》に『自分への手紙だよ』とこた
える。したら、急に涙目になっちゃって、俺をぎゅっと抱きしめた。

『ゴメンね。アタシがもっとやさしくしなかったから……ごめんね』

とうるうる泣いてしまって、(いや、違うんだよ。)



                          ■もっと口汚くアタシを罵って!

 
――バカになりなさい。イロちんの場合、悩んだりした分損するよ。

《亜美ちゃん》にもらったこの言葉。なんだかとても深みのある言葉だ。
結局そうなのだ。俺なんか、考えたり悩んだり深刻になっちゃうと、余
計なにもできなくなってしまうのだ。もう考えこんだり悩むことはやめ
よう。それは(俺にとっては)無駄な時間だ。

★★★

《もう悩まない》ことを宣言した俺は、自分に手紙を書いてみた。

久しぶり、元気かい?どうよ最近?色々、女の子のこととか大変
 みたいじゃないか?君は、いっつも考えすぎちゃうことがあるから、
 そのへんを注意していこうぜ。うまくやろうとしちゃだめさ。楽にね。
 カッコ良くやろうとすると失敗するからね。とにかく行動するんよ。
 つらい後悔しないために。今出来ることすべてをネ。今、そこに夢は
 あるかい?下ばかりみていないかい?今どこへ向ってるんだい?


                 
ダメだダメだダメだ――っっっ!!!

――夜中に何、俺は一人《ノイローゼ》なことをやってるんだ!!

ふーっ………ちょっとコーヒーを買いにいきます。《5分休憩………》
あーあ。明日なんか来なきゃいいのに。ずっと《今》だったらいいのに。
ね。さっき外を歩きながら、中三のとき、席替えがあって、ずっと好き
だった白井さんの隣りになった
時のことを思い出しました。きっと――。

――あの時、一生の運をつかっちゃったのだと思います。




                       ■中三の時、好きな白井さんの隣りの席になれた奇跡

                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月16日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~またいつものように、たとえバカと言われても

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――SF映画の未来都市みたい。

miradaを送って帰りにのった首都高は「小菅」から集中工事で、大渋滞
で結局「外苑」にいくまでほとんど一車線規制だった。ぬけるのに3時
間かかった。《何かが間違っていると思った》強く思った。

昔、首都高を夜中にドライブした時、当時のガールフレンドが目を輝か
せて「SF映画の未来都市みたい」と興奮気味にいったのを思い出した。

全然進まねぇ……。おいおい『大宮ナンバー君』、それじゃ合流できな
いよ。ぼーんやり、一人ぼっちで立ち往生。窓をあけると、タバコの煙
が空に舞いあがっていく。あぁ東京ラプソディー。

 ★★★
 
コンビニに寄って、タバコを買う。そういえば「クランキー」食べたい
って言ってたな。と思い、《しぃ》に買っていってやる。

 ★★★

だけど、途中で腹が減ったので全部食ってしまった。

それから、ゆるやかな風が起こって、ぼくは口笛を吹きました。オルガン
の音を思い出して。片手ハンドルでアクセルを踏みこむと、なぜか高校生
の頃を思い出しました。たくさんの、もう会えなくなってしまったの人の
顔が浮かんで、無性に、もう会えなくなった人達に会いたくなりました


――多分僕は、あなたたちのためにこれからを生きていくのでしょう。

『あれから何人かの女の子と付き合って、今思い出すと、どことなくみん
な君に似ている人でした』その気持ちわかるな。と思った。


                         ■次の彼女ができるまでは君が一番好きなのだろう


――いい一日でも、ツライ一日でも、それはそれで一日なわけで。

目覚めれば、まっさらな明日が用意されていて。自由に思いのままに、
描くことが出来る明日が。すべては君次第。そう、君次第だから。前
に前にもっと前に。

 ★★★

ちょっとした飲み会の帰りに《亜美ちゃん》を送ってく帰りに、急に
動悸が激しくなって、何回も深呼吸して。でもなかなか息ができなく
て苦しくて。《亜美ちゃん》の言うままに、車を路肩に止めて。それ
から《亜美ちゃん》が「いいから泣きなさい」と言うので、泣いたら
自分でもびっくりするぐらい涙がでた。

………そうだよね。ツライのに、どうしようもなくツライのに、
 誰にも助けてって言わないでやってたもんね。いつも、ひとり
 ぼっちで、一生懸命がんばってたもんね………。


情けないぐらい、むせび泣いた。その間《亜美ちゃん》はずっと手を
握り、背中をさすってくれていた。

これが、今日、僕にあったすべてです。

しきりなおして。またいつものように。たとえバカといわれても。
人からなんと思われようと。しんどいけど。また明日――。



                          ■またいつものように、たとえバカと言われても

 
――平日の夕方、一人で部屋にいるのがたまらなく嫌で。

朝起きて、小仏峠を原チャリで昇る。最近の俺はノイローゼで、夕方一
人で部屋にいると泣いてばかりいて《昔の女》へ電話しようかと、悪い
ことを考えて、結局、それをやったら終わりだと踏みとどまって、でも
無性にたまらなく誰かに会いたくて、でもそれが誰か本当は分らなくて。
(そういう時期がたまにあるのだ)だから、朝起きて山にいったりする。

 ★★★

山は「緑」全開で、アスファルトの小道にできる木陰が夏っぽくて、日
傘をさしたおばあさんが、バス停に立っている。車なんていない。俺の
原チャリは狭い田舎道を颯爽と走る。ニジマスの釣堀を抜けて、りんご
園を抜けて、集団登校の小学生が遊んでいる神社の、石畳の階段を抜け
て、オブジェが並ぶ、造形家のアトリエを抜けて。ゆるやかな時間に満
たされて。

――それは「夏休みの匂い」だ。

裏高尾は「夏休みに行くばあちゃんの家」っぽい。俺はセミの声を呼ぶ。
時間が止まる、真夏の午後のまどろみを感じる。どこからかピアノの音
が聞こえるような午後で、互いに求めているのに、それがなにか最後ま
でわからなかった。そんな汗ばんだ季節を思い出している。そんな「夏
休みの匂い」を思い出している。



                           ■恋人はもう来ない 時代は戻らないよね

                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月14日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~そんな君と僕のLove・Love社員旅行

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――ロジック課の『恋のご意見番』は今日も忙しい。

「どうしていつもうまくいかないんだろう?」と《小夏》が嘆く、俺は
うっ………と思った。うっ……と思ったのだ。マンガだったら、縦線が
こめかみにサーっと流れているはずだ。

『てっとりばやく、近場から漁ってるからじゃないか………』

ファイトだよ!ガッツしかないよ!!ガッツが足りないからだよ!俺は
そうやって『小夏』の肩を掴みエールを送った。

 ★★★

――社員旅行とかに行って、女部屋に入り浸っていたい。

今一番したいことは?と聞かれたので、そう答える。司馬が「最低っす
ね」と笑う。経理の女どもが、いっせいに軽蔑したような視線を俺に投
げかけた時、(生涯でもう出会うことはないだろういい女ランキング3
位の)亜美ちゃんが、笑った。

『わざとそうゆーこと言うんだよねー、イロちゃんは。そう大声でカッ
 コつけながら、実行する勇気もなくて、女部屋に行きそびれた男を集
 めて、エッチなビデオ見てるタイプ。』


 ★★★

暇を持て余して、ゴミを投げつけてくる《さっちん》の頭を、来客用の
スリッパでパコーンと殴る。かまってもらいたくてしょうがないのだ。



                         ■そんな君と僕のLove・Love社員旅行


――先にイカダに乗ろうって言ったのは僕で………。

さっちん「閉店の時間ですから早くして下さいよ。」
一課イロ「パソコンの雑誌を黙って持ち出したのも僕で……。僕は卑怯で………。」
さっちん「まだですか?」
のっこ 「………お兄ちゃん、食べようよ。」
さっちん「……下げますよ。」

一課小嶋「子どもがまだ食ってる途中でしょうが!!」

と、メシ後の暇な昼下がり、ナウな俺らは「北の国から’81~記憶
ごっこをして遊んだわけで。割れたどんぶりを黙って片付けたわけ
で。

 ★★★

――《しぃ》の嫌いなもの。

それは「マッチ売りの少女」である。ちょっと生意気な態度をとっ
た時は、『少女は、ひとつマッチをすりました、あ………あったか
い………するとどうでしょう、お母さんの姿がぽっかり浮かびまし
た………。次の日の朝少女は………。』と始めると『きゃぁー!』
と逃げていくのだ。

 ★★★

春なんか嫌いだ。みんな楽しそうだから。と言ったら、「他人を羨
んじゃだめよ。」と注意されました。


                     ■他人の恋路(友達の彼女というシチェーションが好き)


 
――もう、俺たちにあったことは忘れてくれ。

月一会議の前、大勢で待機しているところで、つかつかと歩み寄り。
《友里》に言う。さあ、てんてこ舞いになったのは《友里》で。あ、あ、
あんた何いってんの?ち、違うんですよ。この人ちょっとおかしいんで
す!ちょっと!説明しなさいよ!

それから、あんなかったるい月一会議なんて《鼻くそ》ほどに考えてい
る俺は、屋上にばっくれて、ボロボロひととおり泣いた。それですっき
りした。最近の俺は情緒不安定なのだ。大丈夫なのだろうか?

 ★★★

そういえば《かおる》の奴、俺のこと「イケてない」って言ってたな。
と思い出し、《かおる》の上履き入れに、目立つように、みんなに見え
るように、これみよがしに、『ファブリーズ』を置いておく。それでも
いまいちすっきりしなかったので《かおる》のデスクトップを《SHA
ZNA》にし、画面いっぱい《IZAMU》にしておく。

 ★★★

「ふつうに結婚して、ふつうに子供をつくり、普通に生活していく」

そんなことを考えると、逃げ出したくなった。結局俺は人並みにボーナ
スすらもらえないダメ人間なのだ。そんなことを《しぃ》に言ったら、

『アンタはアタシの傍でチャランポランなことやってれば十分よ』

と大笑いした。


                          ■もう、俺たちにあったことは忘れてくれ。

                                 《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~お嬢さん、その上履き捨てるんだったら僕に下さい


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)



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小学校の時、ハンカチと『ちり紙』だった――。

ばあちゃんは、決まって学校に行くとき「ハンカチと『便所紙』もった
か?」と聞いたものだ。ポケットティッシュを持っているクラスメイト
を見ると《さすが、街の子は違うなぁ。》と思ったりした。小学生の頃。

 ★★★

なるべくウチにこもらないようにしようと思った。

口内炎が痛くて、苦虫を噛み潰したような顔をしてると、亜美ちゃんが
『なんか、そんなイロちゃん嫌いだな』って言ったから。亜美ちゃんが
言うなら、カメムシだって素手でつぶして見せる。


そんなこんなで、やっぱり春だし、通路で会った《友理っぺ》とじゃれ
あってすれ違うと、一緒に机を運んでいた(部署の移動だったのだ)妹
弟子のノッコがやけに、くどくどからんでくる。

――アタシ、師匠にはもっと威厳をもってもらいたいんです。

『何だよお前………ヤキモチかよ。』「な、何言ってんですか!!」
『うぅ!痛ってーなぁ……急に手ぇ離すバカあるかよ。』「だから弟子
の身にもなってくださいよ。」『………爪割れてんじゃねえか?』

  窓から桜の花びらが入ってくる。よちよちと机を運びながら。
  春の匂いがする。ほんのりと汗ばむ午後――春の匂いがした。



                  ■お嬢さん、その上履き捨てるんだったら僕に下さい


  枕に口をおしつけて、家族の誰にも聞こえない
  ように、思いのままの言葉を、君は叫んだことはないか?


止めれるわけがないじゃないか。この感情の高まりを。そんな風に僕ら
は生きている。

 ★★★

夕飯後、DORAMAに『ニューヨーク東8番街の奇跡』を《しぃ》
と返しに行く。信号待ちをしてると、閉店まぎわの暇なエッソで、バイ
ト君たちがじゃれあっている。ふと、《しぃ》が言う。

――いっつも思うんだけど、男の子のさぁ、ああいう風にじゃれあって
  るのって、女にはすごい羨ましいんだよね。


 ★★★

『あーあ、イロ君みたいなのがカレシだったらなぁ。』

俺は、立ち止まって、まじまじとユッコの顔を見た。それからその肩を
ポンと叩いて『お前いいやつ。俺もいいやつ。』と笑った。だって春だ
もん。


                          ■ニューヨーク東8番街の奇跡とか


――イロ君!イロ………おい、君!

全体朝礼に遅れていって、何だあそこ誰も座ってないじゃん。と座ると
場内がざわつく。何事だ!!振り向くと、俺は映写機のまん前に座って
いた。何だ、だから空いていたのね。

★★★

今日の朝礼の武勇伝ですっかり有名になった俺は、終止不機嫌だった。
この、やり場のない苛立ちを誰かにぶつけたくてしょうがなくなる。と
にかく誰かに『言いがかり』をつけたくなったので、コンテナをかった
るそうに運んでいた《由美ぶ》の胸ぐらを掴み言う。

《人生のリセットなんてそう簡単にできると思うなよ!!》

「おら、どけよ。」と、《由美ぶ》は去っていった。

★★★

メシ食ったら、もう楽しみは帰るだけじゃん。別に好きでやってる仕事
じゃないし。気休めで生きてるみたいなもんだし。とうわけで、午後の
『個人的シエスタ』を楽しんでいると、竹内がうるさい。

『いや、シエスタよりも、大切なのは全裸ですよ。本来、日本人に
 制服なんて必要ないんです。』




                             ■音もたてないで過ぎてゆくやり直せない日々

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月12日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~ダメ。今はアタシのことだけ考えて……。

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――ううん。ダメ…今はアタシのことだけ考えて………。

《さっちん》が俺の頬を両手で包みこみ、無理やり自分の方へ向かせる。
え………。「ここにいるのは、誰でもない。ただの、男と女………。」
『さっちん………。』


んな、わけねえだろう?キムタク風に俺が言い、《さっちん》の髪をが
―っと、が――――ぁぁぁっと、鷲づかみにする。納期明日で、てんぱ
ってんだから邪魔しにくんなよ。

 ★★★

『いい加減、結婚してること言ったほうがいいんじゃないすか?』

ああああああああ。こないだからお前、何なのソレ?

『チャコのことですよ。イロさんチャコには意識的に結婚、隠してるじ
 ゃないですか。何にも知らないチャコの態度見てると、こっちまで切
 なくなりますよ。』
                           ―――つづく

 ★★★

――がんばろう俺も。《キキ》のように。

最近落ちこみがひどかったので録画しておいた金曜ロードショー『魔女
の宅急便』を見る。すごく感動したので、竹内に電話する。

『落ちこんだりもしたけど、俺は元気だよ。』「何なんすか?」
『今日からお前のあだ名は《トンボ》な。』「え?え?何すか?」



  雨上がりの庭で くちなしの香りの
  やさしさに包まれたなら きっと


                          ■ダメ。今はアタシのことだけ考えて……。

――アイツ、思いっきり噛みやがったなー………。

シャワーを浴びながら腕に出来た「あざ」を見た。天使な小生意気の
《千恵美》だ。新人を仲間にくわえようと、裏でやっきになっている。

『お前、いい加減そーゆーの止めろよ。な、お前、俺に見透かされてん
 だぞ。わかってないんだよ。そーだなぁ。ここで「こいつは全部わか
 っててやってんだなぁ」って思うのは亜美と美和ぐらいだよ。お前は、
 その半分もわかってないのだよ。千恵美君。』


俺は逃げないように、千恵美の頭を小脇に抱える。

『周りを無視して進むってのは非常に危険なんだよ、By、テレンスリー
  in サンデージャポンだ。さてメシ食いいくぞ。』

何でオメエとメシなんだよ!もう食った!と千恵美が暴れる。

『バカ、俺が食うんだよ。B定な。おごれよ。こんないいレクチャー、
 タダなわけねえじゃねえか?』

というわけで、俺は千恵美の首根っこを押さえたまま食堂へ行く。

『千恵美君。素直さっていうのは、相手にどれだけ自分を預けられるか?
 そおゆうことだと思わないかね?』


★★★

――お前、俺に出会えてよかったなぁ。「うるせぇ放せよ!」。やっぱ
  あれだよな。無意識でも自分を隠す奴ってのは近寄りがたいな。ほら、
  俺そーゆー態度、わかっちゃうからさぁ、余計ツライよ。あははは。



                          ■血の、血の匂いがどうしてもとれないの!


――相変らず、お前は美人だなぁ。

ガールフレンドに会いに行く。赤い首輪をした三毛「マルちゃん」だ。
マルは、ケンカでもしたのか事故にでもあったのか「足を引きずって
いた。」その足で俺についてこようとしたので、俺は泣きたくなった。
俺は泣きたくなったのだ。

 ★★★

――ヒップにみがきをかけて 野良猫は夢見るの the lucky star
  どうか 魅力をくーだーさいー。♪

《しぃ》が昨日、アイロンをかけながら口ずさんでいた歌。なんだっ
けなぁ。と思っていたら、今わかった。《Rasp-berry Dream》だ。

 ★★★

――バカじゃないの?(笑)。

《しぃ》が笑う。それは俺が早起きしてサクラを見に散歩にいったこ
とに対してではなく、朝4時に起きて行ってることに対してだった。

違うのだ。誰もいないサクラが見たかったのだ。土手の回廊を抜けて、
お寺の境内までサクラの中を一人歩く。誰もいないのに、華やいでい
る―。そんな時間の中にいると、時が歪むのだ。うまく言えない。


                             ■君は今、夜の蝶となりて飛び立つ

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月11日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~ごめん!こいつ毎週火曜日が生理でさ

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――みなさま巷ではGWが出始めましたよ。いいんですか?

二課の『旅サラダ』とまで言われている俺は、色々意見を聞かれる。

『名古屋ってどんな感じですか?』
うーん。立川が少しでかくなったようなもんだな。

『仙台行こうと思うんですけど。』
仙台は立川がもっと地味になったような感じかな。

『また京都いこうと思ってるんですけど。』
立川みたいだったろ?

………なんかイロさんの例えってみんな立川ですよね。

 ★★★

無性に誰かを責めたくなったので、竹内をつかまえる。

 みんな誰だってそれぞれ、色んな問題かかえて生きてんだよ。だから
 ………それでも笑ってる奴が一番えらいんじゃ――っ!!おらァ!ぶ
 っ殺すぞテメエ!


鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしてる竹内の肩をたたいて。俺は《い
い笑顔》をした。

ここにいる奴はみんな、お前のこと仲間と思ってるぞ。』

え?僕だってそう思ってますよぉぉぉ。な、何ですか?僕、みんなのこ
と見下してなんかいないですよぉぉぉ。と竹内が泣いた。



                          ■けらいの一人もいない王様とか


――きっと恋をしているのだ。

思い煩い、ぼんやりしてて、気づくと書類に彼女の名前を書いている。
早く誰かつっこんでくれないかと待ってるが、生憎だれも通りかから
ない。必然と、彼女の名前が増えてきて紙いっぱいになった。

《自分ながらに、これは怖ぇ〜〜と思った》 そして――、

通路から俺をみつけて、子供のように手をふる無邪気な彼女の笑顔に、
俺は泣きたくなった。思い出して今も髪をぐじゃぐじゃとかきむしる。
痛い。息苦しい。まじで。これはやばいと思った。春だしなぁ。

 ★★★

『必要とされてるんだなって感じることだよ。結局はそういうことだ。』

司馬に「どういうのが幸せなんですかね」と聞かれて――。

 なんかね。嫌いだった自分が好きになれそうな。そんな風に変えてく
 れそうな、そんな雰囲気あるんだよね。アンタには。多分、アンタと
 付き合ってきた女の子はみんなそんなことを感じてたと思う。


――純度が高い、同種の感受性。付き合う前、ずっとずっと昔《しぃ》
  が言った言葉。そして今――《しぃ》は「騙された」とよく言う。

 ★★★

「理想の自分」ではなく「一番いい時の自分でいること」、言い聞かせ
るようにトイレの窓から雲を眺めた昼下がり。



                          ■恋という字をノートに書いては消した


――ちょっと、アンタの私物アタシの机にはみ出してんだけど。

それを聞いた俺は思わず、舐めていた「塩飴」を吹き出しそうになった。
(保険のおばちゃんにもらったのだ。)むこうが暇でうちにヘルプにき
ていた、すなわち《千恵美》だ。

(………お前は、来ていきなりケンカごしかよ。)

俺はぶち切れ寸前の《愛ボン》をなだめるのに一苦労だ。

『ゴメン、愛ボン。こいつ、毎週火曜日が生理でさ。うん。そう。バカな
んだよ。勘弁したって。ほら、ガストの割引券……いやいやいや、取っ
といて取っといて。ね。ね。いいからいいから。』

まだ何か言いたそうな《千恵美》の頭を小脇にかかえて、無理やり連れ
てかえる。(また噛まれた。よく噛む女だ)。

 ★★★

「何なんだよ!一体、オメエはよぉ!」《千恵美》が切れる。

『お前、絶対《さびしい》って最後まで言わないタイプだろ?俺好きな
 んだよね。そういう強がってる奴って。』


言いながら、俺っていいこというなぁと思った。そんな俺を《千恵美》
がバカにしたように見ていた。

 ★★★

5時の休憩で一人タバコ。《亜美ちゃん》が一人で帰っていくのが見え
る。誰とも待ち合わせせず、さっさと帰っていく。彼女のそういうとこ
ろに惹かれる。



                             ■ごめん!こいつ毎週火曜日が生理でさ

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月09日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~ジョニーは戦場へいった、僕は何処へいくんだろう?

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――毎日、迷える雛に飛び方を教えるのに忙しい。

誰も彼もが愛に飢えているこの街角で、俺は一人たたずむロンリーナイ
ト。まぁそれはいいとして、今日もまた一人「愛に迷う若者」が俺を尋
ねてくる。『感動を忘れてしまいました――。』

俺は天使のような笑みでうなずくのだ。

『小嶋、それはな。例えば、すっげぇ可愛い子がいて、もう、みんなの
憧れで、どうみても自分とは不釣合いで、それでも一か八かで告白して、
なんだかOKもらっちゃって、その娘がこう言った時だよ。』


――アタシも、イロ君のこと、前からいいなぁって思ってた………。

 ★★★

なんだか無性に苛々してたので、ぶつぶつ呟いてみる。

 ★★★

それでも無性に苛々したので、一人づづ「お前ラブラブ?」と聞いてま
わ る。そんで「ラブラブだった奴」の前で舌打ちして『0点カード』
をくば る。そうこうしてるうちに定時になった。いい時間を過ごせた
と思う。

街灯の下、桜の花びらが、雪のように降りてきましたよ。


                          ■たとえアタシを忘れても今日のことは忘れないで


――アジサイが咲いていた。曇りガラスの向こうに。

子供の頃、離れの部屋の、日の当たらない場所にアジサイがあった。ブ
ロック塀に囲まれた小さなスペースの向こう、曇りガラスの先に、ぼん
やりとうつっていた。一人で遊んでいた午後、6月――。

 ★★★

『嫌だ、嫌だ嫌だ。嫌だってったら嫌なんだよ!』

解析チームの《圭子》がすごい嫌がっている。それは俺が「今日からお
前を《おケイ》と呼ぶことにしたから」といったからだ。


《しい》が職場から、「わすれな草」を分けてもらってくる。小さくて
愛らしい、《しぃ》の大好きな花。


                          ■All You Need Is Love 〜愛こそはすべて


――まだ1時半だよ〜〜。

仕事中時計を見て、思ったより針がぜんぜん進んでないときには、こん
なふうに一応、となりの《小嶋》に報告する。すると、すげぇ嫌な顔す
るので、とりあえず満足する。

 ★★★

《あんまり喋ったことない人を、こういう人と決めつけるのは止めよう
 と思った。》

基本的に嫌なことがあると「言わなければすまない」というより「すぐ
切る」(諦める)ほうなので、それではいけないと思った。

第一印象で、直感でその人を判断できる《しぃ》は以前言った。

――アンタにアタシの真似は無理だと思う。

何で?という俺に、たたみかけるように《しぃ》が言う。アンタは「人
を本当には嫌えないタイプ」だから。

 ★★★

夕食の食材を買って帰ると、米も炊かずソファで寝てやがったので、
『目覚ましテレビ』のビデオを流しながら、「おら、遅刻すんぞ!!」
と起すと、暴走したおもちゃのように動き出した。俺は腹を抱えて笑っ
た。おおいに。ははは。


                             ■ジョニーは戦場へいった、僕は何処へいくんだろう?

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月08日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~多分、会社の女の子みんな俺に気があるよ

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――18時にベタ辞典MTGに合流し、翌朝5時に帰宅。

もう朝だった。こんなに空いている首都高は久々だった。早朝の首都高
をぼんやり走っていると、昔のガールフレンドのことを思い出した。朝
はいつもそっけなくやってきて、僕らを現実にひきもどした。どこへも
行き場所のないような悲しい恋だった。彼女を好きになるほど、心が痛
んだ。


いつ逢っても「これが最後になるんじゃないだろうかと?」そんな心細
さを、そんな切なさを含んだ、悲しい瞳の人だった――。

 ★★★

どうして、夢をかなえることばかり何ですか?どうしてハッピーエンド
ばかり何ですか?夢を諦めることのほうが、挫折に葛藤することのほう
が、いっぱいあるのに――。愛をください。

と《理恵ゾ-》からイタいメールがくる。うざったかったので『出会い系
メール』を転送してやる。

 ★★★

何か会社の女の子みんな、俺のことが好きなような気がするんだよね。
 最近――。


そんなことを小嶋に言ったら『………とうとう悟りましたね』と笑った。


                          ■多分、会社の女の子みんな俺に気があるよ


 ――色々なことがめまぐるしく展開している。

ついて行けないほどのスピードで、それはまるで、公園にある遊具のよ
うに、自分を真ん中において、景色だけが流れていく。心地よく翻弄さ
れている、怖がらずにそっと力を抜いて、流れに身をまかせればいい。

それぞれが、それぞれの物語を持ち、ふっと干渉しながら、相手の色を
その縁にわずかににじませながら、またふれあい絶えず変化していく。

『こんにちわ。さようなら。』

                それは心地よいもの。

 ★★★

気をまぎらわせる為に、経理ルームに行き《理恵ゾー》を説教する。

『いいか、最後は手料理で落とすんだぞ。手料理だ。ロールキャベツで
 いけ。ロールキャベツの味言葉は《私はあなたを想っています》だか
 からな。男はロールキャベツに弱いんだよ。そこんとこ四露死苦。』

だからお前さ、だからその嫌いな料理を好きな男の為に、一生懸命覚え
ようとしてる姿こそ「愛」なんだよ。「愛」だよ「愛」、ばか。クラブ
「愛」じゃねえよ。俺だって、それで、魚食えるようになったんだから。



                         ■じゃぁドルチェ&ガッバーナ買ってくれる?


――人は誰かを本気で好きになった時、
  スイッチを切りかえるように、
  簡単に諦められるものなのだろうか?


 ★★★

仕事の帰りはいつだってごきげんさ。鼻歌を歌いながら、アクセルをぐ
るんと回して。RCの『スローバラード』を歌いながら帰った。

『どうしてそんなにひねくれてんですか?』

と、志賀っちが言う。「当たり前だ。《つっぱる》ことが男のたったひ
とつの勲章だって、この胸に信じて生きてきたんだよ。俺は」と俺は言
った。俺はたしかにそう言ったのだ。

 ★★★

――ねぇ。どうしてイロ君は、アタシにそんなにやさしくしてくれるの?

《亜美ちゃん》が、小首をかしげて、無邪気な瞳で俺に聞く。俺は一瞬、
とまどい、悔しそうに唇を噛んだ。(血がでるぐらい)

『………まだわかんねぇのかよ!』

と、捨て台詞を残して俺は走り去った………というのは妄想で「自分だ
けやさしくしてもらってると思ったら大間違いだぞ。ちょっと天狗にな
っちゃってるんじゃない?」と俺は言ったわけで、自分でもよくわかり
ません。

 ★★★

《どーでもいいような、しょーもないことを本気になってやってる時の
 男の子の横顔って、きゅーんとくるのよね。》


――『しぃ』が言った。



                             ■昨日は車の中で寝た、あの娘と手をつないで

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月07日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~どうして可愛い子は一次会で帰るのだろう

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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  一つ残らず君を悲しませないものを
  君の世界のすべてに すればいい――。


ぼけーっと「ばくだんドーナッツ」を食いながら、夕焼けをみていた。
夕方の休憩で。ふたりともきっと弄ばれているのだ。何にとははっきり
言えないけど。時間のようなものに。季節のざわめきのようなものに。
それから、夏草の匂いが多摩川土手から漂ってきた。

夏草の匂いをかぐと、国道沿いにあったラブホテル《アイネ》を思い出
す。

《アイネ》を思い出すと、何人かのガールフレンドの顔が浮かんだ。結
局、一番ひどい別れ方をした人の顔を一番はっきり覚えていた。浪人し
てた頃、予備校にも行かず、パチンコばかりしていた。そのパチンコ屋
でバイトしていた2歳年上の人だった。

「さぁ、次は君の番だよ」と、誰かが次の手を促す声が聞こえた――。

★★★

――どうして、カワイイ娘はみんな一次会で帰っちゃうんでしょうね?

と司馬が呟く。知らねーよそんなこと。人が気持ちよく《青春ノイロー
ゼ》に浸っている時に、ちゃちゃ入れんなよ。司馬がすがるような目で
コメントを待っているので「彼氏がいるからかもね」とてきとうな返事
をする。それでも納得いかないような顔をしているので、

「カワイイ女の子は、0時になると馬車が、かぼちゃになっちゃうか
 らかもね。」と答える。

――サッポロ一番『塩』ってスープが緑色っすよね?

お前、聞いてんのかよ?俺はもう死にたかった。



                          ■どうして可愛い子は一次会で帰るのだろう


――ねぇ、お互い腹の探り合いしようよ。

俺はこの状況にチッっと舌打ちして、サイドミラーを見て車線変更した。
横目でちらりと様子をみると、車の中においてある、俺の健康グッズを
もて遊ぶ、ドナルドダックが見える。そしてその向こうには、相模湾が
あって、サーファーがプカプカ浮かんでいた。

――江ノ電「鎌倉高校前駅」は渋滞のスポットだ。

みんなで江ノ島に行こうという話になって「みなみ野」で待ち合わせた
ら、俺とチャコだけだった。畜生。あいつら後で一人ずつグーでぶん殴
ってやる。あいつらは性格が悪いので、こういう身内の「ごたごた」や
「ドロドロ」や「不幸」が大好物なのだ。

★★★

『なあ、チャコ。俺……深刻なのは嫌いなんだよ。いっつもさぁ、へら
 ぁ〜って笑ってんので十分なんだよ。』
アタシも。シリアスなのは嫌い。笑っちゃうから。」

ドナルドダックの赤い唇が前を見たまま笑った。「青だよ」と言う。い
つ見ても可愛いなぁと思う。不謹慎な俺――。畜生。

アタシってさぁ、めったに人を好きになったりしない分、一回好きン
 なったら、絶対モノにするまで諦めないタイプだよね
。」

俺はせつなくて、泣きたくなった。

『………お前は、どう見ても、100%自分から身を引くタイプだよ。』

――沈黙。

ね。アタシと亜美ちゃん。どっちが可愛いと思う?

俺は、本当に涙が出そうになった。こんな気持ちになったのは久々だ。そ
してギアから手を離して、チャコの頭をそっと撫でた。「もう止めな」と
言いたかった――。


                         ■どうしてあの時、君をしっかり抱きしめなかったのだろう?


――俺の指先は間違いなくそいつの鼻穴を狙っていた。

もうおわかりだろうと思うが、いちおう追記しておく。それは俺が今日
朝の公園で留学時代に覚えた太極拳を練習している時だった。リードを
はずされたラブラドールが、やっぱりバカなのだろう。狂ったように暴
走してきたのだ。ちょうど傍にいた《ちびすけ》が、バカ犬に煽られ、
硬直していた。俺はその飼い主のクソババぁに言った。

『公園ではリードを付けなさい。この子がおびえているじゃないか。』
「大丈夫。大丈夫。この子(バカ犬)は、おとなしいから。」

その鼻に指をつっこんではったおしてやろうと思ったら、太極拳仲間の
《阿部くん》が、「オラぁ!」という掛け声とともに、そのババぁの横
っ面を片手で掴んで、砲丸投げみたいに投げ倒していた。

「イロ、逃げるぞ!」
『え?ウソ?!』  そして俺らは、走って逃げ出した。攻守逆転

★★★

――イロさん!《留美男》が大変なんです!

という電話をもらって、俺が八王子の東急スクエアから、手弁当で《め
じろ台》のアパートにかけつけると、心配そうな顔が俺を迎えた。《留
美男》は最近「リニアチーム」の《仲本君》に振られたばかりなのだ。

「もう三個目なんです………」

見るとカーラーを巻いたスエット姿の《留美男》が、ソファに座り、バ
ニラアイスクリームの2リットル箱を小脇に抱えて、スプーンですくって、
泣きながら食ってる。

お前は、ニューヨークラブコメディか!!!!!

とりあえず、つっこまずにはいられたなかった。


 


                             ■お前は、ニューヨークラブコメディか!

                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月06日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~今夜、すべての女の子の財布にスキンを

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)



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――俺は今日から生まれかわるんだ。

というわけで9時頃寝る。『何やってんの?』いぶかしげに《しぃ》が
聞く。あれこれでそうなって、俺は今日から規則正しい生活をするので、
9時に寝て、五時半に起きて、ジョギングして、日経新聞を読みながら、
うん。コーヒーがうまい」とか言いたいんだと教える。と、大笑いさ
れる。ずっと笑っている。そんなに笑うと俺は………俺は………。

『モキ――っっ!!』
「いたーいっ!何すんの!ちょっと……!噛むなよ!」

サルになるのだ。

 ★★★

進行管理課の《森口》が、10時ごろ引継ぎを書いていた。お前、後の
7Hは上がり作業かよ


 ★★★

というわけで、そんなに早くは眠れないので、今、日記を書いている。

仕事をしながら、まてよ………。と思う。もしかしたら………いや、仮
に万が一にしても『伊東美咲』が、入社してきて、俺の課に来て、俺の
デスクの隣りになるという可能性も、あながちないわけではないはずだ
………まいったなぁ。なんだか、やる気の出てきた午後だった。

改善提案の賞金で贅沢をしようと思った。

『ヨード卵 光』を買った。なんか誇らしい気持ちでレジに並んだ。


                          ■湯けむり慕情熱湯編、仲良しOL三人組が見た事件簿!


――わぁ、イロちんと《しー》さんまで来てくれたんだぁ!!!』

とウエディングドレスを着た《友利子》が、おもいっきり叫んで抱
き着いてきた(もしろん《しー》に)。というのは今日は服飾の学
校の卒業発表会が、浜松町であったからだ。

『もう、来てくれないかと思ってた。』と、べそをかきながら《友
利子》が言う。何言ってんだ。会社休んだって来たさ。

それにしても、一生懸命、自分を疑うことなく、まっすぐ進んでい
る人の、瞳は強く、そして眩しい――


 ★★★

増上寺を横切り、プリンスホテルの駐車場に帰りながら、ふと気づ
くと「苺フェア、パティシエ自慢のスイーツ食べ放題 \2000」の看
板の前で《しぃ》が立ち止まっている。「ふざけんなよ」俺は、その
袖を思いっきり引っ張った。

                              ■連続殺人鬼、スイーツに感動


――《しぃ》が冷蔵庫によりかかって本を読んでいた。

どけおら。と見ると、『アルジャーノンに花束を』だった。感想を聞く
と「悲惨だから、二回目は読みたくない」と。

 ★★★

《由美ブー》から、なんか最近、感じ悪いオーラがでているので、それ
となく、カマをかけてみる。

『お前、カレシ変えたんだって?』

――え?何で知ってんの。誰から?誰情報?とすがりついてくる。バカ
め。所詮お前なんて、俺の手の届く範囲から逃げられない孫悟空なのだ。

『ろくでもない男とくっついたんだな………』咥えタバコで《美和》が
通りすぎる。『ま、その程度で十分な女だよ』と《美和》。『どんな男
とくっついてるか見れば、その女の器量がわかるってもんさ
。』と、ま
たまた《美和》。

【今日覚えたこと】女は男で変わる、または分る(らしい)。

 ★★★

カマをかけることにやみつきになった俺は、今度は《愛ボン》を狙った。

お前、財布の中にコンドームを入れておくのは止めたほうがいいぞ。
 結構、男は引くからな。そういうの
。』

――な、な、な、何で人のモン勝手に見んのよ!!!バカな女だ。俺は
薄ら笑いを浮かべながら、逃げた。トム&ジェリーのように。かろやか
なステップで。春らしいきらめきの中で。
 


                             ■今夜、すべての女の子の財布にスキンを
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月05日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~アタシ今日、学校で誰ともしゃべんなかったわ

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――今日、学校で誰ともしゃべんなかったわ。

マユミは、そう言って在庫チェックを始めた。冷蔵庫の中を確認しなが
ら「キュウリ買っておいてって、言ったのに。明日のモーニング、どう
すんの?」と呟く。

カウンターに頬づえをつき、海を眺めると、すりガラスの向こうに波が
白く崩れるのが見えた。セピア色の海岸を見ると、いつももの悲しい気
持ちになった。もう戻れない風景が延々と続くような、そんな気がした。』

………てな感じの物語を一つ書いた。

 ★★★

《しぃ》が朝方ふらっと起きて、立ったまま「メロンシャーベット」を
食い、また布団にもどってくる。それだけのために起きたのか………。




                             ■今日、学校で誰ともしゃべんなかったわ


―――新人の恭子ちゃんのヘルプに入る。

まいった。恭子ちゃんは《ボケ殺し》で、ノーリアクション。キツイな
ぁ。芸人泣かせの夢見る22歳だ。

#3(256T)が調子がわるいと言うので、見に行き、「あぁ、これ
ね。」と言いつつ、流れるようなタッチで、キーボートを叩き「これで
大丈夫っしょ。」と言った瞬間、ものすごい音で、装置が止まった。で
その話を小嶋にすると、

イロさん、やっぱり、笑いの神様がついてますよ。』と悔しそうに歯噛
みする。それを聞きつつ、飲みかけの缶コーヒーをゴミ箱のフタに置い
た、その時、雪ですべったのだろう。するするっとドブに落ちていった。

「わざとじゃないからな」つまんなそうに俺は言ってやった。

 ★★★

液晶チームの千葉が『社内では、みんな全裸でいいんスすよ、全裸で
と興奮気味に息巻いていた。

 ★★★

《だからお前、この先もそれでずっとやってけると思ってんのかよ?》

「うるせぇなぁ…関係ねぇだろ?」と美和が言う。『それじゃ………』
と言いかけて、言葉につまる。今これを言ったら、言ってしまうのは
酷すぎるんじゃないだろうか?と思った。――ケンカしないで下さい!
ノッコが割って入る。

後で《亜美ちゃん》が「美和ちんには、やさしくしてあげて」と言う。
あの子、我が強くて誰に対してもあんな風だけど『イロちゃん』の悪口
だけは絶対言わないんだから。

俺は、どうしようもないくらい、悲しくなった。


                              ■フィンセント・ファン・ゴッホみたいな夜だ
 

――きっとアンタは、自分を絶対許せなくて、同じように周りの誰一人
  許すことができないのよ。


湯上りに、小顔ローラーをやりながら《しぃ》が何の気なしに、どうで
も いいような口調で、そんなことを言う。そんなことを言うのだ。

 そんで、泣きたいのに泣けなくて、笑いたいのに笑えなくて、愛した
 いのに愛せなくて、そんな、どうしようもならない矛盾と葛藤をもて
 あましながら、期待したり、諦めたりしながら、ずっと変わらず生き
 ていくんだわ。ずっと――ずっと――。


冷蔵庫から、ダノンのヨーグルトを出してきて『特命係長 只野仁』を
へら へら笑って見ながら《しぃ》がそんなことを言う。くれ。と言っ
たらシカトされた。俺は一口ももらえなかった。

ザリガニってカッコイイよねー。』

この人はいったい何者なんだろう……。僕は時々そう思います。

 ★★★

憧れている人の瞳を見た。強くて正しい瞳だった。強くて正しい瞳は、
い つもどこか、さびし気で。強くて正しいということは、きっと、そ
ういうことだと知った。

ああ、今日も空は青くて、昨日の続きのような明日が続くのだろう。ぼ
んやりと昼間の余韻にひたる真夜中には、時々、彼女の吸いこまれるよ
うな瞳を思い出す。



                             ■ブイブイ言わせてるって言わないで、お願い。
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月03日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~シャンソン歌手の新春歌謡ショー


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――たくさん空気を吸いこんで。さぁ、し切り直しだと思う。

楽しいことが浮かばない。冴えない。でも「食わず嫌い」の マチャミの
嫌いな「しゃこ」を当てることはできた。でも、 それが一体なんになる
んだろう。なんになるんだろう?

 ★★★

《お風呂から上がったら靴下を履きましょう》

風呂から上がって、靴下を履くと、子供の頃を思い出す。昔は今より、家
の中が寒かったような気がする。東京来てからだな。風呂アガリに靴下は
かなくなったのは。

――絶えず、絶えず動いている。誰もそのままでなんかいられないんだ。

《しぃ》がそんなようなことを言う。そして僕が言う。

そうだよ。全ての物体は移動中で、全ての物事は液状的で過度的なものだ。
宇宙そのものが、巨大な『クロネコ宅急便』なんだ。

 ★★★

――「ヒトミ」が、どうも、鬱っぽいという。

何でと聞くと。幻聴が聞こえると言う。絶えず誰かが、自分を応援してく
れて、励まされて元気が出ると言う。じゃ、いいんじゃないの?

さてと。こんな日は早く寝て、いっぱい寝て。し切り直しだ。それではみ
なさん。――おやすみなさい。またあした。


                             ■宇宙そのものが巨大なクロネコ宅急便なんだ


指輪ができたというので、夕方、銀座へ取りに行く。銀座の宵は、これ
から出勤する「夜の蝶」でにぎわっていた。みんな、ばしっと、一分の
隙もなく、決めてて、おぉと感心する。さすが、銀座だ。

それから『アジアンキッチン』に行って、ナシゴレンとか、春雨サラダ
とか、フォーとか、グリーンカレーとか食べる。エスニックを食べると、
《しぃ》は必ず、バンコクに行った時(俺はコレラ感染の疑いで成田で
検査をうけ、その上、八王子の保健所にいかされ、一週間、自宅から出
ないように言われた。)俺のミスで写真が全部真白になっていたミスを
責める。一生言われるのだろうか?

 ★★★

淡々と、日常が過ぎていけばいい。「自己完結」。いい言葉だ。そん
な風に、3月の午後、自宅にて――。


                              ■シャンソン歌手の新春歌謡ショー
 

――♪肩を落として土を払った 緩やかな冬の日の黄昏に
  彼は二度とかぐことのない風 深く吸った

土手に原チャリを止めて、河川敷の運動場をながめて、タバコを吸った。
グランドを見るとき、よく、この歌を思い出す。そんな風に、気持ちよ
い風を、見晴らしのよい風景を、俺はいつか感じる瞬間がくるだろうか?
空を眺める。高いなぁ。高いよ。

すかっと飛びてぇなぁ――。

 ★★★

「ユウコ」と言う名前について。よく聞かれる。僕は自分の物語の中で
頻繁にこの名前を使うからだ。ユウコに何かあるのか、それは………ま
ぁ、いいよね。しかし、世の中に『父の初恋』の人の名前を付けられた
娘が、どれだけいるのだろうか?

 ★★★

ミニ・アスパラガスを買って来た。鉛筆を1/4サイズに縮小した感じだ。
『あぁぁぁっっ!し、しーすけ!』「ど、どうしたん?」と《しぃ》が
冷蔵庫に寄ってくる。『アスパラがこんなに小っちゃくなっちゃったよ
ぉぉ!
』「え?!うわっ!」『だから言ったじゃん。早く使えって……。』
「うん…これからそうするよ………。」

そして、俺は一人、部屋で「くの字」になって笑っていた。


                             ■そしてユウコはカメムシを探しに
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年07月01日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~片思い日記、盗み見したの僕です

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――昼休みには空を見上げて大口を開け、パクパクすることに
  している。

よくわからないが、非常に脱力できて、新しい何かが俺にみなぎるのだ。
ついでに言えば、めんどくさい連中もよってこなくなるので尚いい。

ペンタゴーン!………ロボコン0点!

と 大声で言ってみる。今日もいい感じだ。

 ★★★

世の中には俺と同性同名の人が何人いるのだろう。なんか同性同名って
いいなぁ。100人ぐらいあつめて、京王プラザでパーティなんかできたら
ステキだなぁなんて考えながら日曜出勤。

 ★★★

――世間の空恐ろしさを感じたことが2度ほどある。

俺は、中学2年のときから「ライ麦畑」で、本心はなるべく隠していた
ほうが得だと、悟りを得たのでそのように生きてきたし、これからもそ
う生きていこうと思っているのだが………、

『言葉、選ばなくてしゃべってもいいよ。誤解しないから。』

と腹の底を見透かされたように、言われたことが生涯で2度ほどある。
一人は、年齢不詳の女部長(大学の時、夏休みのバイトで出会った)で、
もう一人は《しぃ》である。

疲れた帰り道、ジョンレノンが聞きたいと思った。でも口笛を吹いたのはド
ビュッシーの『夢』だった。



                             ■ジョン、僕はここにいるよ



手帳に。『金魚』とだけ書いてある。意味がわからない。覚書きだらけ
の手帳だが。さすがに『金魚』は気になる。俺は「金魚ちゃん」が好き
だからだ。そして、よくよく見たら、『企画』と書いてあるのだった。

 ★★★

《チュウ子》が、メシを食った後、咥えタバコで手帳をみている。 足
まで組みやがって、その偉そうな態度が鼻についたので、手帳をとりあ
げる。「返せよ!見るなよ!」と、つっかかってきた。

バーカ。お前、オレに隠し事なんて3世紀早ぇんだよ。』

で………?なんだこの《片思い日記のぺーじ》ってのは?(*ちなみに
《チュウ子》は苗字が『荒井』だからです。)

 ★★★

みんな『めぞん一刻』の《響子さん》派で、《こずえちゃん》派は俺と、
小嶋だけだった。それから、『俺、伊東美咲のことが好きかも………』
とコクるが相手にされず、くやしまぎれに《芸能人ごっこ》を提案する。

じゃぁ、今日一日、俺が「伊東美咲」で、司馬が「はしのえみ」で、小
嶋が「ベッキー」で、ナベが「熊田曜子」な。それから、どうしてなの
かわからないが、みんな、終止不満気だった。


さてさて、毎日疲れるなぁ。さぁ、明日もしまっていこう。


                              ■今夜、すべての休日出勤者へ
 

――この《メロス》って奴は偉いね。ただもんじゃないね。

暇だったので《しぃ》に、本棚にあった「走れメロス他」を 読み聞かせ
る。ラジオ朗読のように、かなり感情をこめ、抑揚をつけて、ていねい
に読んだ。その感想がこれだ。




                             ■ええ、そうです。押入れにカンガルーがいたんです
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年06月30日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~Qちゃんは居候なのにご飯50杯


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)



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ゲロ部、その後――。

それから、俺はぐったりした二人の為に『どうせ酔ってるんだから、そ
れなら』と思って、駅前のコンビニに車を横付けして、こいつらに、し
こたまビールを飲ませた。(俺は飲まない)。

俺達はゲロまみれのまま、コンビニの前でビールを飲んで、チー鱈や、
マグロフレークを食った。出勤や登校の人たちが、嫌そうな目をして俺
達を見た。何かがふっきれたのだろう。《藤田》が泣きながら言った。

『また特訓お願いします!僕、心の中のゲロ、出し尽くします!』
『アタシ、今日のこと一生忘れないと思う』と、《友利っぺ》。

俺達は、ゲロまみれのまま抱き合った。そう。俺達は仲間じゃないか!
俺達は朝の通勤ラッシュの傍でゲロまみれのまま抱き合った のだ。


                             ■吐いたゲロはもう戻らない


――お前、昨日《いびき》かいてたぞ。

と《しぃ》に言ったら『またまたぁ』と憎らしい笑い方をする。

スクーリングのレポートができた。見てくれ。と《しぃ坊》が言うので、
しぶしぶ目を通す。そして俺は頭が痛くなった。留学生の作文の採点し
ていた頃を思い出した。あれも頭痛のする作業だったなぁ。

 ここの主節はどこにかかるんだよ?――は、―――はで長いから、
 ――は、そして(もしくは特に)――は〜です。にして……ふぅ―。
 何で自分に謙譲語使うんだよ。お前はそんなに偉いんか。……『て
 いうか』……って、何で急にタメ口になるんだよ。レポートだろ?


★★★

相変らずカレシが仕事に行かずパチンコ通いの《さっちん》に賭けで
勝ったので『ナンバ走りで課長に試作品もってって』って言ったら、
ホントにやってた。はははは。面白い奴だ。愛してんよ。《さっちん。》


                              ■愛があれば歯切りしなんて


―――あなたにとって東京とは?

東京なんか嫌いにきまってるじゃないか。人が多くて家賃が高くて。
それでも東京は不思議な街です。他のどんな地方都市にもない、匂いの
ようなものを感じます。東京そのものは好きではないけれど、その匂い
は好きです。東京にしかない匂い――。

「嫌い」ということは、「好き」の対極にあるのではなく、むしろ、
「好き」ということの中に包括されているのではないだろうか?つまり、
嫌いだけど好きだし、好きだから嫌い。そういうのもあると思った。似
ているのだ。

★★★

――「バケラッタ」って英語、どういう意味だっけ。

《しぃ》が新聞を見ながら言う。バケラッタって英語?「そりゃ、お前、
Qちゃんの弟のO次郎だろう。」『え?……あれぇ?………《発展する》
って、確かあったじゃん。』「発展する…developのこと?」『そうそう
そう、それよ。さんきゅう。』

俺はまじまじと《しぃ》の顔を眺めて言った。

「………お前の、英文科としての4年間は何だったんだ?」『そんなも
んだって。だってさぁ。』

――だって忘れなきゃ、新しいこと覚えられないじゃない。


                             ■Qちゃんは居候なのにご飯50杯
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年06月29日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~スッチーと合コンするって本当ですか?

 
98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)



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―――スッチ―と合コン。

そんなことを考えながら、空を見上げた。風が気持ちよい日で、スクー
ターをさっそうと乗りこなしながら、坂道を登った。ルーレットが回る
ように、僕の毎日が過ぎていく。

★★★

僕がまだ17歳で、何者でもなかった頃――。

とても好きなフレーズ。今日いちばんのお気に入りだ。

ある春のここちよい一日に、僕は創立記念日で、彼女は学校をズル休み
して。『花水坂』の駅で僕らは待ち合わせた。平日の午後。桜の土手を
抜けて、はじめて手をつないで「医王寺」まで歩いた。

彼女は僕に最近買ったブラウスを自慢して、それから、ずっと僕の寝ぐ
せを弄びながら笑った。僕が踵をつぶしてはいていたコンバースの踵を、
踏んでいたずらしながら、子犬のように笑った。

距離がもどかしかったあの頃。僕らは3ヶ月ぶりに会った――。


                             ■スッチーと合コンするって本当ですか?


――校内、合唱祭。

これほど、男子クラスで意味の無いモノはなかった。男女共学だった国立
理系&文型クラスは、鬼のように盛りあがっていたが、就職クラス(別名、
吹き溜まり)だった俺らにとっては、めんどくさいだけだった。

というわけでバレー部でロン毛の《及川》にパーマを当てて、ヒラヒラ&
ピチピチのパンタロンを着せて《及川秀樹とスクールメイツ》で『ヤング
マン』をやったのだ。何をやりたかったのかというと、スクールメイツの
ボンボンの中から颯爽と登場する《秀樹》を再現したかったというわけで。

おなじくパークラスだった8組女子(就職クラス)は、ラムちゃんの格好
で、キャンディキャンディメドレーをやっていた。すげぇ受けてた。

★★★

《自分の殻に閉じこもっていてはいけない。洗練されない。よきにつけ悪
 きにつけ、人とふれあうことが大切だ。それで嫌な思いをして傷つくこ
 ともあるだろう。しかし大事な「いたみ」を知ることになる。》


高校の頃に書いたメモを見つけた。純情だったなぁ。

★★★

――今日も、《しぃ》は朝出で俺は車で駅まで送っていく。

駅は車で送ってもらう学生で込み合っていた。ふと思う。そういえば、俺
は台風の日ですら、車で送ってもらえなかった。カッパ着て駅までチャリ
で行った。『ガキが楽、覚えちゃいけないよ。』母ちゃんが言った言葉だ。


                             ■童貞をこじらせてしまった俺だから


――《しぃ》が朝出するので今日も京王八王子駅まで送っていく。

まだ空がうす暗い。昨日遅かった俺は非常に機嫌がわるかった。このイ
ライラを誰かにぶつけなければ昇華できないと思った。ので16号を
『相原』に向いつつ《友利っぺ》に電話する。

『お前今日非番だよな』「……な、何ですか?こんな朝に…」
『特訓だ』「え?とにかく嫌ですよ。冗談やめてください」
『へえー。へえー。お前、俺にそんなこと言っちゃうんだ?』

《お前、去年の忘年会の帰り、片岡に内緒で玉井と寝たよな?》

「立ってます!家の前に立ってます!すぐ来てください!」と心地よい
返事がすぐに返ってきた。

★★★

と中、多摩センターで《藤田》をひろって、俺と愛車シビックは大垂水
(峠)を攻めまくった。車に弱くて有名な二人は「きのこ茶屋」でノッ
クダウンした。だから『特訓だ』と言ったのだ。

それから《由利っぺ》が霊感女だったということを思い出したので、泣
く子も黙る「八王子城跡」にいったら………

「な………ここ、どこですか?あ、やばい、やばいですよ!それ以上い
 かないでください!あ、あ、あ………。」

と、崩れるようにしゃがみこみ、げーげー吐いていた。やっぱ霊感って
ホントなんだなと思いました。


                             ■ゲロ部、今旅立ちのとき――。
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

2005年06月28日

《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》~もう、三ヶ月生理がこないんです


98年夏、彗星のごとく現れ、現在も八王子で充実した生活を送っている
イロの、2004-2005までのヒット作品を統括する完全無欠のグレイテス
トヒッツ・アルバム。西武ドームライブ中に、乱入した暴れ馬に蹴られ
て死んだメンバーに捧げた名作「他人の恋路」を含む全30作を収録!

                    (「月刊アコナイト・ファン」より)


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――みんなが言うような、いい子になりたくて、そんな子になり たく
   て努力して……でもホントのアタシはそうじゃなくて、もっと
   ドロドロしてて、すごく嫌な奴なの!(退場)。

そう、宮崎アニメのヒロインのように一気に言い切って、タタタと
《愛ポン》が去っていった。はじめ面白い冗談だと思っていた。タバコ
を2本吸ってから、はじめてマジだとわかって、みんなで追った。青春
だなと思った。動画に残したかった。

 ★★★

『まだ終わったわけじゃない』

そう言いたくて、そのきっかけをずっと待っていたけど、なかなかこな
くて、今日も言わずじまいで1日が終わった。俺の意気地なし。

 ★★★

高校の時、校内弁論大会に出させられた。『拒否と反抗の向こう側』と
いうタイトルで最後をこう〆た。

『僕は17歳のままではいられない。やがて僕は大人になり、バカになっ
 ていくだろう。そして家庭を持ち社会に組みこまれ、その慌しい日常
 の中で、この《今》感じている気持ちを忘れていくだろう。
 それでも――。それでも、たとえ忘れてしまっても、もう一度だけ。
 この《今》がきっとまた来ることを、信じながら生きていくのだと思
 う。』


教員達の反対で、僕は「選考外」になった。闘病生活から《生きる喜び》
を見出した推薦クラスの女の子が大賞を貰った。仏頂面で教室に帰ると
盟友ワタナベが『愛してんよ』と森永マミーを投げてよこした。

――冬の飛行機雲を見ると、よくこのことを思い出す。


                             ■森永マミーとコンスタンティノープルの陥落


――昼休みに弁当を出したら、家の漬物のタッパだった。

99SHOPで買ったザーサイだった。俺は「岩下の新生姜」も好きだがザ
ーサイも好きなのだ。でも、さすがに昼飯が『ザーサイ』じゃ悲しすぎ
る。俺はマジで死にたかった……畜生……。

どうして俺はいつもこうなんだろう。俺ってダメな奴なんだろう。今日
こそ中央線を止めに行こう。と思っていると、彼女いない歴24年の
《中野》が脇の下を掻きながら、週間ポストのグラビア記事を薄ら笑い
で読んでいた。(透け乳首疑惑の記事)

――……そうだよね。いっぱい……いっぱい、勇気をありがとう。

 ★★★

ただでさえ「童貞をこじらせている」のに、惚れっぽいO型の血が、僕
をしめつける。どうして、人は人を好きになるのだろう?望まないのに。
望んではいなかったのに………。

というのは、設計通知を憧れの《亜美ちゃん(生涯でもう出会うことは
ないだろう女性ランキング3位)》に説明している時だった。指し示す
ボールペンが知らないうちに震えてくるのだ。

何か新鮮だった。中学校の頃、三年間。死ぬほど好きだった。彼女が地
球上にいると思うだけで、嬉しかった《ノンちゃん》のことを思い出した。

でも僕も大人ですよ。ふっと心中、苦笑いしたあと、ゆっくりと涌き出た
気持ちをかき消しました。……じぇっとすとりーむ。



                             ■愛されたいと願っている弟は真夜中のキッチンで


――もう3ヶ月生理がこないんです。

廊下の隅にさささと呼びこんで《チュウ子》が俺に言った。何なの?

――どうしたらいいですか?

知らねぇよ!そんなの《内山》に聞けよ。何でお前等の営みに俺がから
まなきゃならないんだよ。意味がわからない。と言ったら、こいつは信
じられない言葉を吐いた。『………………俺の子?!』

バカ言え。わけわっかんねぇ。お前、頭、大丈夫か?

泣きながらチュウ子が言う。「だって………だって、イロっちが、かま
ってくれないからじゃない!!」だから《俺の子》なのだという。可哀
想に、思考回路のどこかが断線しているのだろう。

俺は、ブサイクな顔で泣く《チュウ子》をあやしながら、言った。

『わかった。わかった。もうそれいじょうブサイクな顔で泣くなよ。
 俺まで切なくなる。もう誰の子でもいいから、昼に「バイコー」に
 妊娠検査のやつ一緒に買いに行こう。オシッコですぐわかるやつだ
 よ。じゃ、昼メシん時、玄関でまってろ。な。』

というわけで、昨日、俺たちは、バイコーにいったわけで。


                             ■もう三ヶ月生理がこないんです
 
                            《イロ/グレイテスト・ヒッツVol@》

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