
――人は夢を捨ててまで、生きてはいけ
ないんだ。おまえは『部活』と『英検』
どっちが大事なんだ?
そうか。英検のほうが大事か………。
(本文より)
《 我らイレブンの甲子園 〜もくじ〜 》
●それぞれの休日 ●疾風?! VS 闇の学園
●野球を捨てた男 ●壮絶!NASA短大付属高校
●ついに魔球誕生!? ●これが全員野球だ!
●強敵!テレアポ学園!! ●激烈!読心術高校野球部!
●驚愕!新しい助っ人?! ●大胆不敵!ダイナマイト高校
●10人目のプレーヤー ●VSワールドワイドなコミュニケーション学院
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■■■(あとがき)本当の直球勝負とは? ■■■
さて、いまさらながら《あとがき》といわれても悩んでしまうのだが、
この《我らイレブンの甲子園》は、出尽くした感がある、野球モノの新
しいタイプを模索するべく書き始めた作品である。まあ、デキそのもの
はさておき、うまく頭の中にあったものを具体化できたと思う。
――どれだけ、先が読めない《野球モノ》ができるか?
これはかなり辛いチャレンジだった。何か書こうとするたびに、これは、
何に似てるな、これは何にそっくりだとか壁にぶつかり、容易に筆をす
すめることができなかった。バイトの時給がさがったり、コンビニに行
っている間に、マナーの悪い市民のしわざで、自転車のサドルがタバコ
の吸殻でとけていたり。そんな非常に精神的に辛い時期に書きあげたこ
の作品は、今後の自分にとって、殊に価値あるものになると思う。
二○○五年一二月 相馬イロ
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■■■( 解説 )野球マンガはいよいよ最終形態へ ■■■
いよいよ野球マンガはここまできたか………。
本作品をはじめて目にしたとき私は思わず、そうひとりごちた。そして、
やはりこの偉業はこの男の手にしかできない偉業であっただろう。この
作品がいかに時代にテーゼを投げかけるものかは、もはや説明のいらな
いことだろう。つまりは、野球マンガはとうとうここまできてしまった
のである。
まさに抱腹絶倒、言語道断なこの作品は、「前回までのあらすじ」と、
とってつけたような、「会話(本文)」と二部構成からできている。
そして本文もさることながら、私は「前回までのあらすじ」に思わず、
うぅ………うなってしまった。卑怯とすら思った。この「前回までのあ
らすじ」が反則的に本文と関係なく展開してゆくのである。なんといっ
ても、「いけない教育実習生」とラブラブのエース竹内の恋愛模様が面
白い。野球とまったく関係なく、物語が進んでいくこの方式は、最近の
野球マンガ界の「あぶない課外授業」スタイルを予感するものであった。
このこともイロ氏の着眼点の鋭さを物語っている。
惜しむらくは、この作品はマンガとうたいながら「絵」がないことであ
る。もちろんこれもイロ氏の含む意の大なるところなのだろう。絵など
なくても十分楽しめるのが本作品である。
さて、イロさん。今度ゆっくりキャッチボールでもどうですか?
佳山さとる(宅配ビザ店員)
※初出誌/『季刊 閑古鳥』(俳句雑誌)一九九九夏号〜二○○三冬号
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■我らイレブンの甲子園《完》
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